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1992 年度 実績報告書

慢性関節リウマチの骨破壊における骨芽細胞および破骨細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 03670328
研究機関九州大学

研究代表者

延永 正  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40038899)

研究分担者 橋本 通  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (00237950)
江崎 一子  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40037453)
神宮 政男  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10038523)
キーワード慢性関節リウマチ / 骨破壊 / 破骨細胞 / TIMP / 骨吸収 / ICAM-1 / VCAM-1 / IL-1β
研究概要

慢性関節リウマチ(RA)患者骨髄より培養した破骨細胞(OC)の機能と骨破壊におけるその役割につき検討した。
OC(1×10^5/ml)を24穴デイッシュにて3日間培養後、上清を得、tissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP)をELISA法にて測定したところ、RA患者由来OCでは151±24no/ml(m±SD)であり、変形性関節症(OA)のそれ(118±18no/ml)に比べ有意に高かった。IL-1β存在下で培養した上清では対照に比べTIMPは有意に高値を示したが、IL-6は何ら影響を与えなかった。OC3日間培養上清につき、metalloproteinaseとしてstromelysinをELISA法で測定し、RAとOAとで比較すべく準備中である。
一方自発的に石灰化をきたす骨芽細胞(OB)を培養し、^<45>Caラベル後、OC(2×10^5/ml)を添加培養すると対照(100%)に比べ有意に高い^<45>Ca遊離がみられた(136%)。これはカタラーゼ添加により抑制されたことから、OCの骨吸収作用には過酸化水素や次亜塩素酸が関与することが示唆された。
次にOCの骨吸収作用における接着因子の関与につき検討する目的でOBないしOCを96穴プレートで培養し、各種サイトカインを加え、さらに24時間培養後固定し、接着因子単クローン抗体を用いて各種接着因子発現をcell ELISA法で定量した。OCではICAM-1およびVCAM-1が発現しており、IL-1βで増強された(ICAM-1はOD540値0.301±0.014から0.504±0.028に、VCAM-1は0.473±0.075から0.718±0.154に)。OCにはさらにVLA-4、LFA-1、Mac-1も発現していたが、このうちMac-1はIFN-γによって増強された(0.089から0.151)。一方OBにはICAM-1が発現しており、IFN-γによって増強された(0.563から0.795)、したがってOCによるOBからの骨吸収にはICAM-1/Mac-1(IFA-1)およびVCAM-1/VIA-4経路の関与が示唆された。OCによる骨吸収における接着因子の関与につき、以上の接着因子単クローン抗体を用い、さらに検討中である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] M.Shingu,S.Nonaka,H.Nishimukai,M.Nobunaga,H.Kitamura,K.Tonooka: "Activation of complement in normal serum by hydrogen peroxide and hydrogen peroxide-related oxygen radicals produced by activated neutrophils" Clinical cxperimental lmmunology. 90. 72-78 (1992)

  • [文献書誌] 延永 正: "RAの生命予後とリスクファクター" 医学のあゆみ. 161. 718-722 (1992)

  • [文献書誌] 江崎 一子、和田 哲也、神宮 正雄、延永 正: "Bucillamine,auranofin,salazosulfapiridineのlgMRF分泌系に及ぼす影響" 炎症. 12. 537-540 (1992)

  • [文献書誌] S.Shiokawa,M.Yasuda,M.Nobunaga: "Genotypes of polymorphic arylamine N-acctyltransferase in systemic lupus erythematosus" Arthritis and Rheumatism. 35. 1397-1399 (1992)

  • [文献書誌] 延永 正、神宮 政男、安田 正之、橋本 通: "免疫調節剤の多剤追加併用療法" 炎症. 12. 303-310 (1992)

  • [文献書誌] 吉岡 和則、神宮 政男、延永 正: "好中球による軟骨細胞障害に対する関節液の影響" 医学のあゆみ. 162. 863-864 (1992)

  • [文献書誌] 延永 正: "臨床アレルギー学" 南江堂, 566 (1992)

  • [文献書誌] 延永 正: "私はこう処方する-各科常用最新処方-" 大道学館, 535 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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