研究課題/領域番号 |
03670329
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 靖史 大分医科大学, 医学部, 助手 (50178779)
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研究分担者 |
脇 道典 九州大学, 理学部, 助手 (30037212)
高木 良三郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (90038620)
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キーワード | 血小板第4因子(PF4) / ヘパリン結合ドメイン / 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF) / bFGF受容体 / 血管新生 / 血管新生抑制 |
研究概要 |
血小板α顆粒に含有される血小板第4因子(PF4)には血管新生抑制作用の有ることが報告されているが、申請者はこのPF4の血管新生抑制作用が、血管新生因子である塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の受容体への結合を阻害することによっていることを報告した。そこで本研究では、PF4分子中のbFGF受容体結合阻害の活性部位を同定すると共に、その部位の合成フラグメントを用いて血管新生のコントロ-ルが可能かどうかを検討した。bFGFの受容体への結合はヘパリンあるいはヘパラン硫酸に依存していることが報告されているが、PF4にはそのC末端部位にヘパリン結合ドメインが存在しヘパリンの作用を中和することが知られている。そこでC末端のヘパリン結合ドメインを合成して、まず ^<125>IーbFGFの受容体結合に及ぼす効果を検討したところ、合成ペプチドはPF4と同様に^<125>IーbFGFの受容体への結合を阻害した。次に血管新生において必須の現象である血管内皮細胞のプラスミノ-ゲンアクチベ-タ-(PA)産生に及ぼす影響を検討した。PAの産生はそのmRNAをNorthern blot法で検出し今回購入したデンシトメタ-で定量した。また細胞遊走に及ぼす影響についても検討した。その結果合成ペプチドはPF4と同様にいずれの現象をも阻止した。そこで最終に血管内皮細胞のコラ-ゲンゲル内での管状構造の形成(血管新生のin vitro model)に及ぼす影響を検討したところ、PF4と同様に管状構造の形成を阻害した。すなはちPF4の血管新生抑制作用の活性はC末端のヘパリン結合ドメインにあることが明かとなり、同部位の合成ペプチドを用いても血管新生が阻止される可能性が示された。
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