研究概要 |
アミロイド蛋白には、家族性アミロイドポリニュ-ロパチ-における異型プレアルブミン、原発性あるいは骨髄腫に伴うアミロイド-シスにおけるAL,主として続発性アミロイド-シスに検出されるAAなどが知られてきており、最近ではこれらの蛋白の一次構造や、これをコ-ドする遺伝子が明らかにされつつある。さらにアルツハイマ-型痴呆(SDAT)脳におけるアミロイド関連蛋白として、β蛋白(Glenner,1984)が同定され、現在ではSDATの成因、病態との関連で、本蛋白をめぐり急激な研究の展開が認められつつある。 申請者らは近年関節リウマチ患者に続発したアミロイド-シス組織を出発作料としていくつかのモノクロ-ナル抗体(MoAb)の作製に成功したが、この中でMoAb AM34(IgG1)が,従来のAA蛋白とは明確に異なる蛋白を認識していることを見い出した。さらに興味あることに本抗体はSDA脳の老人班およびアミロイド血管にも反応することが判明した(Brain Res.,474:309,1988)。これまでの研究でこの新しい蛋白の免疫学的・化学的同定を行うとともに、それをコ-ドする遺伝子をクロ-ニングすることに成功した。さらに本研究においては、作製されたcDNAプロ-ブを用いてin situ hybridization法により局在を検索し、同時にノ-ザンあるいはサザンブロット法によりRNAあるいはDNAレベルでの変化を解析した。その結果、本抗原は肝細胞に多く発現され、その産物は血清中においても検出されることが明らかとなった。
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