研究概要 |
アミロイド蛋白には、家族性アミロイドポリニューロパチーにおける異型プレアルブミン、原発性あるいは骨髄腫に伴うアミロイドーシスにおけるAL、主として連発性アミロイドーシスに検出されるAAなどが知られてきており、最近ではこれらの蛋白の一次構造や、これをコードする遺伝子が明らかにされつつある。さらにアルツハイマー型痴呆(SDAT)脳におけるアミロイド関連蛋白として、β蛋白(Glenner,1984)が同定され、現在ではSDATの成因、病態との関連で、本蛋白をめぐり急激な研究の展開が認められつつある。 我々は近年関節リウマチ患者に続発したアミロイドーシス組織を出発材料としていくつかのモノクローナル抗体(MoAb)の作製に成功したが、この中でMoAb AM34(IgG1)が、従来のAA蛋白とは明確に異なる蛋白を認識していることを見い出した。さらに興味あることに本抗体はSDAT脳の老人斑およびアミロイド血管にも反応することが判明した。本研究でこの新しい蛋白の免疫学的・化学的同定を行うとともに、それをコードする遺伝子をクローニングすることに成功した。現在さらに詳細な検討を行いつつある。
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