研究課題/領域番号 |
03670333
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松山 隆美 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30145479)
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研究分担者 |
小出 純 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70178193)
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50179610)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / フィブロネクチン / VLA / 活性化 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ滑膜組織凍結切片を用いて、VLA2、VLA3、VLA4、VLA5、の発現の酸素抗体法にて観察した。滑膜表層細胞はVLA3、VLA4、VLA5、を発現し、表層下細胞も同様であった。一方、リンパ球ではVLA4の発現のみみられた。リンパ球表面のVLA量が少ないことが予想されたので、滑膜組織よりTリンパ球を分離し、VLA抗原の発現を末梢血Tリンパ球のそれと比較した。慢性関節リウマチ滑膜Tリンパ球はIa抗原を発現することが知られているので、合わせて、Ia抗原の発現も検索した。末梢血Tリンパ球に比べて、慢性関節リウマチ滑膜組織より得られたTリンパ球は、Ia抗原、VLA2、VLA3、の発現頻度が高かった。VLA2発現は、T細胞を1〜2週間刺激してみられるので、このことは慢性リウマチ滑膜T細胞の10〜20%は長期に活性化されていることを示している。VLA3抗原の発現増加の意義は不明であるが、VLA3発現T細胞は遊走し易いとの報告があるので、今後、滑膜Tリンパ球の遊走能の検討をおこないたい。本年度の結果から、RA滑膜ではリンパ球より、滑膜細胞が多種、多量のVLAを発現していることが明らかになった。また、VLA3、4、5の機能の一つであるフィブロネクチンとの結合能を検討して成績でも、滑膜Tリンパ球の結合はみられなかったが、滑膜細胞は有意に結合した。今後、慢性関節リウマチ滑膜組織でのフィブロネクチンの細胞活性化への影響を検討する際、Tリンパ球を用いるより、滑膜A、B細胞を用いる方が、病態解明に有用であると考えられた。
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