研究課題/領域番号 |
03670352
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白鳥 康史 東京大学, 医学部(病), 助手 (70196624)
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研究分担者 |
小松 裕 東京大学, 医学部(病), 医員
椎名 秀一朗 東京大学, 医学部(病), 助手
川瀬 建夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (40169727)
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キーワード | クッパー細胞 / 肝類洞内皮細胞 / 増殖因子 / ICAM / 接着因子 / Pit細胞 / 細胞間相互作用 / 肝転移 |
研究概要 |
肝臓病態生理における肝類洞壁細胞間相互作用を明かにする本年度の研究においては、以下の点を明かにした。肝障害の際の細胞浸潤には肝細胞から産生される走化性物質が関与することを明かにした。さらに、マクロファージから産生されたTNFが浸潤多核球の内皮細胞への接着を促進し、ICAMの表出も亢進した。prostaglandin Eは一部この接着をprotectする作用が認められ、prostaglandin Eの肝障害防作用の一機序と考えられた。さらに、マクロファージの内皮細胞障害には放出されたエラスターゼなどの水解酵素が関与していた。 kupffer細胞は肝内皮細胞の増殖を促進させる動きがあった。このことは、肝再生に伴う内皮細胞の増殖に関与するものと考えられた。この増殖促進因子は分子量1万以下で熱やトリプシン処理により失活した。この増殖にはprotein kinase Cが関与していることを明かにした。また、このことは肝臓における血管新生に関与するものと推察された。 BRM投与により亢進した肝内NK細胞の動態にはmacrophageやKupffer細胞の機能により制御されていることが明かとなった。すなわちBRMはKupffer細胞に取り込まれ、この細胞から放出されたcytokine(interleukin2)がNK活性を亢進させることを明かにした。とくに、肝臓などの臓器に付属しているNK活性は末梢のNK活性よりも著しく亢進していることを明かにした。肝臓への集積と肝臓内での活性化が関与していることも明かとなった。また、BRMの投与時期と大腸癌の肝転移阻止との関連も明かにした。
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