研究課題/領域番号 |
03670369
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
星 秀樹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90219163)
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研究分担者 |
谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60117603)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | CEA / 血中放出機序 / 膜抗原 / tight junction / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
CEA遺伝子がクローニングされ、そのcDNAプローブを用いた正常大腸上皮細胞においてもCEA mRNAが十分に発現されていることが明らかにされつつある。しかし癌患者血清CEA値は正常人血清CEA値に比較すると著しく増加していて、細胞からCEAが血中へ放出される機序が異なっているものと推定される。我々は既にラット大腸上皮細胞においてヒトCEAに相同するラットCEA様抗原が正常大腸上皮細胞においては菅腔側にのみ発現されているにもかかわらず、癌化すると細胞の基底膜側にも発現され、血菅系と密接に接触できることを報告し、この現象にtightjunctionおよびアクチン線維が関連していることを指摘してきた。本研究においては、まずモノクローナル抗tight junction蛋白抗体を作成した。次にモノクローナル抗tight junction蛋白抗体および抗アクチン線維抗体を用いてラット正常大腸上皮およびrIFN処理大腸上皮での分布の変化を免疫組織学的に検討したところ、それらの極性の変化が観察された。さらに、tight junction蛋白遺伝子cDNAを利用して詳細に検討した。 一方、全く同様の膜抗原の分布の偏位はヒトCEAにおいても認められている。最近ガンマ・インタフェロン(γ-IFN)がヒト腸上皮細胞のtight junctionを修飾し、膜の透過性、流動性に変化をおよぼすことが報告された。そこで、本研究ではラット正常大腸上皮細胞のorganculture系を用いて、rIFN処理により、CEA様抗原の分布が偏位し、さらにrIFN投与ラットにおける血清CEA様抗原の変化を検討し、CEA血中放出機序に関わるtight junctionの役割を動物モデルを用いて検討した。この系による検討は極性をもって分布する膜抗原の血中放出機序を明らかにでき、きわめて広範囲の臨床医学への応用が期待できる。
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