研究課題/領域番号 |
03670372
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
溝口 靖紘 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00094491)
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研究分担者 |
仲島 信也 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50180287)
岡 博子 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40169090)
塩見 進 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30170848)
関 守一 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50145778)
黒木 哲夫 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30047328)
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キーワード | 肝類洞壁細胞 / Kupffer細胞 / 肝類洞内皮細胞 / サイトカインカスケ-ド / アラキドン酸カスケ-ド / 肝浸潤マクロファ-ジ / ブロスタグランジン / インタ-ロイキン |
研究概要 |
1.Kupffer細胞、肝類洞内皮細胞および肝浸潤マクロファ-ジからのPG産生能:これらの細胞をLPSで刺激すると、PGE2,6ーketoーPGF1αおよびTXB2が産生された。また、これらのPGs産生に対してILー1は影響しなかったが、TNFは濃度依存的に、また時期依存的に促進させた。IFNでは、IFNーα、ーβはPGsの産生を抑制し、この機序は、細胞内cーAMP量を上昇させたので、cーAMPによるphospholipase A2活性の抑制によると考えられた。一方、IFNーγはPGE2産生を促進させ、EGTAやTMBー8のような細胞外Caキレ-ト剤や細胞内Caーantagonistにより阻害されることから、細胞内外のCa移動に依存性であることが推測された。GMーCSFはPGE2産生に影響しなかった。2.Kupffer細胞、肝類洞内皮細胞および肝浸潤マクロファ-からのPAF産生:これらの細胞をCaI A23187で刺激するとPAFの産生が確認できた。一方、肝類洞内皮細胞のPAF産生はILー1でともに有意に促進した。3.Kupffer細胞、肝類洞内皮細胞および肝浸潤マクロファ-ジからのILー1産生:これらの細胞をLPSで刺激すると、ILー1が産生され、indomethacinにより亢進し、PGsにより抑制された。この機序にはcーAMPやcーAMPーdependent protein kinaseを介した細胞応答が関与することが示唆された。4.Kupffer細胞、肝類洞内皮細胞および肝粘着性細胞からのTNF産生:これらの細胞をLPSで刺激するとLPSの濃度に依存して、また、刺激時間に依存してTNFが産生された。また、TNFの産生もPGE1,PGE2,PGI2で抑制された。この機序もcーAMPを介することを確認した。以上の結果よりKupffer細胞、肝類洞内皮細胞を含めた肝類洞壁細胞および肝浸潤マクロファ-ジからはサイトカイン、アラキドン酸代謝産物およびchemical mediatorが産生され、これらの産物は互いに調節しあって、肝類洞壁細胞におけるサイトカインカスケ-ド、アラキドンカスケ-ド等を含めた各種のネットワ-クを制御していることが示唆された。
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