研究課題/領域番号 |
03670376
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
松本 和則 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (20010499)
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研究分担者 |
白鳥 康史 東京大学, 医学部, 助手 (70196624)
高田 洋 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50201596)
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キーワード | 肝細胞 / 多核白血球 / クッパ-細胞 / 単球 / エタノ-ル / 走化性物質 |
研究概要 |
アルコ-ル性肝障害において単球や多核白血球の肝内浸潤がみられることが知られている。この細胞浸潤の機序を明らかにするため肝細胞を分離し、in vitroでエタノ-ルと培養するとラットおよびヒトの多核白血球に対して走化能を有する物質が産生されることを明らかにした。またアルコ-ル食摂食ラットから肝細胞を分離し培養しても、その上清中にラットの多核白血球や単球に対する走化性物質が産生された。 走化能を呈する物質は、56℃、30分の熱処理やトリプシン処理により失活するが、凍結・融解操作や4℃〜常温では安定であった。この物質はエタノ-ル30mM以上で肝細胞より産生された。この物質の産生機構を明らかにするため、肝細胞をcycloheximideなどの蛋白合成阻害剤やactinomycin Dやmitomycin CなどのRNA・DNA合成阻害剤存在下で培養すると、その産生は著しく抑制された。この物質をSephadexを用いたゲルクロマトグラフィ-で分画したところ、走化能を有する生理活性は分子量20〜25万および40〜50万Daltonであった。また、ゲラチンクロマトグラフィ-を用いてfibronectinを培養上清中より除去しても走化能を示したことから、この物質はfibronectinとは異なる蛋白ないし糖蛋白質と考えられた。さらに、この走化能を有する物質は多核白血球や単球の活性化を促進させることが明らかとなってきた。現在、SDSーPAGEなどを用いてこの物質の単離・精製を行っている。
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