研究課題/領域番号 |
03670376
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
松本 和則 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (20010499)
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研究分担者 |
白鳥 康史 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70196624)
高田 洋 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50201596)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 分離肝細胞 / アルコール性肝障害 / Kupffer細胞 / エタノール投与ラット / 多核白血球 / 走化性物質 / エタノール / superoxide anion |
研究概要 |
アルコール性肝障害における肝内細胞浸潤の機序を明らかにするため、雄性Sprabue-Dawley系ラットを用い、肝細胞より産生される単球および多核白血球に対する走化性物質についてin vitroのbioassay検討し、以下の成績を得た。 1.正常ラット肝より分離した肝細胞をエタノールとともに培養またはエタノール摂食ラット肝より肝細胞を分離後培養すると、培養上清にKupffer細胞や多核白血球に対して走化能を有する物質が産生された。 2.走化性物質はエタノール濃度が30mM以上で有意に増加し、90mM以上でほぼplateauに達した。培養液よりエタノールを除去すると、24時間後の上清中の走化能はコントロールとほとんど差がみられなくなった。培養液の稀釈試験では、高い稀釈率に比し低い稀釈率で走化能の低下が著しく、ほぼS状曲線を示した。 3.puromycinやcyclohexamide(蛋白合成阻害剤)、actinomycin D(RNA合成阻害剤)およびmitomycin C(DNA合成阻害剤)を培養液に添加すると走化性物質の産生は有意に抑制された。 4.走化性物質は凍結・融解や透析処理で失活しないが、熱またはtry-psin処理で失活した。Sephadex G-150によるゲル濾過で、走化性物質は20〜25k daltonsおよび40〜50k daltonsの分画に認められた。 5.走化性物質の存在下で、Kupffer細胞および多核白血球によるsup-eroxide anionの産生が亢進した。 以上の成績よりKupffer細胞および多核白血球を遊走させる高分子の走化性物質がエタノール刺激によって肝細胞で生産され、肝障害の発生または進展に関与していることが推察された。本物質の本体に関して、interleukin-8との異同について検討中であるが、今後本物質の本体および生産機序の解明には分子生物学的手法が必要と思われる。
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