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1992 年度 研究成果報告書概要

ヒト肝細胞のAFPとアルブミン産生制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 03670382
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 消化器内科学
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

蓮村 哲  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30189518)

研究期間 (年度) 1991 – 1992
キーワードアルブミン / AFP / ヒト肝癌細胞株 / 温熱 / サイロイドホルモン / ステロイドホルモン
研究概要

肝細胞癌発症にともなうAFPの上昇は臨床的に頻繁に認めらる現象である。また胎生期の血清蛋白主成分はAFPであり、誕生とともに肝実質細胞でのAFP産生が停止しアルブミン合成が始まる。成人では重症型肝炎や肝切除後の肝再生に一致してAFPが産生される事が知られている。AFPとアルブミン産生は、肝細胞の増殖・分化と深くかかわっていると考えられる。またすでにアルブミンとAFPの遺伝子は同一のクロモソーム上に存在することが知られ、それぞれの上流にはエンハンサーやプロモーター遺伝子が存在し、両蛋白の産生の調節している事が次第に明らかにされた。玉置らはAFPの産生を抑制する遺伝子の存在を報告し注目されている。
本研究では当教室で樹立したヒト肝癌細胞株JHH-4,5,7の産生するアルブミンやAFPの生化学的解析を行い、ヒト血清アルブミン免疫的、分子量的に同一である事を確認した。またAFPについてもヒトAFPと同一で糖鎖heterogeneityでは肝癌由来AFPに対応している事を証明した。蛋白産生の調節因子としては38から40℃の温熱環境でアルブミン産生が増加傾向を示す事が示された。ホルモン環境でのthyroid hormon、glucocorcicoidについて検討し、thyroidhormon添加時にはJHH-7株ではAFP産生量の著明な抑制を認めた。一方JHH-5ではアルブミンの産生増加傾向を認めた。glucocorcicoid処置では各細胞株の産生する総蛋白量は2から3倍に増加する。しかし総蛋白あたりのアルブミン、AFP量は変化無くthyroid hormonに対する細胞の反応とは異なる結果であった。
両hormon共に核リセプターが明らかとなってきており、その両リセプターの機能の差異によるか、その他の細胞機能に対する影響かはこれからの問題である。またJHH-7株よりAFPとアルブミン細胞の温度感受性の差を利用してクローン細胞株の作成も進んでをり、クローンによる遺伝子解析も必要になっている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 蓮村 哲,永森 静志,松浦 知和他: "無血清培養ヒト肝癌細胞株の産生する肝特異蛋白の解析" 日本消化器病学会雑誌. 88. 511- (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 新谷 稔,蓮村 哲,永森 静志他: "ヒト培養肝癌細胞株JHH-7の樹立とその多様な肝特異蛋白の産生" HUMAN CELL. Suppl.4(3). 57- (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 新谷 稔,蓮村 哲,永森 静志他: "ヒト肝癌由来細胞株JHH-7の樹立と温熱によるその蛋白産生性の変化" 日本癌学会総会記事(第50回). 155- (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 新谷 稔,蓮村 哲,永森 静志他: "ヒト由来肝癌細胞株JHH-7の肝特異蛋白産生に対する加温の影響" 組織培養研究. 11. 88- (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 新谷 稔,蓮村 哲,永森 静志他: "温熱処理下におけるヒト由来肝癌細胞株JHH-7の肝特異蛋白産生性の変化" HUMAN CELL. 5(3)Suppl. 30- (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 深谷 憲一,永森 静志,蓮村 哲他: "AFPアルブミン産生におよぼすステロイドホルモン,甲状腺ホルモンの影響" 肝臓. (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 蓮村 哲,永森 静志他: "ヒトがん細胞株とその特性" 中外医学社, 472 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 1994-03-24  

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