研究課題/領域番号 |
03670398
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北市 正則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00161464)
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研究分担者 |
長井 苑子 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (30217955)
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キーワード | 線維化肺疾患 / 特発性UIP / 特発性BOOP / 炎症細胞 / CD4陽性Tリンパ球 / CD8陽性Tリンパ球 / コラ-ゲン / 免疫組織化学 |
研究概要 |
1.原因不明の線維化肺疾患には高度な線維化病変が主徴である特発性UIPと線維化病変が軽度な特発性BOOPのタイプが多いこと、両疾患は類似した臨床所見を呈して受診する場合もあるが、UIPと比較してBOOPでは気管支肺胞洗浄液(BALF)の細胞分画の検討ではリンパ球%が高く、Tリンパ球分画のCD4^+/CD8^+の比率が低いことを報告してきた。今回はこのようなBALF細胞所見が組織レベルのどのような所見を反映しているかを検討するためにマウス抗ヒトリンパ球単クロ-ン抗体を用いて開胸肺生検標本を検体としてUIP14例、BOOP10例について免疫組織学的に検討した。UIPでは肺胞壁へのびまん性リンパ球浸潤あるいは幼弱結合織新生部のリンパ球系細胞の有意な浸潤は認められなかったが、成熟した線維化病変内にTリンパ球の浸潤が認められ、Bリンパ球はリンパ濾胞の分布にほぼ一致して存在した。一方、BOOPでは肺胞壁にびまん性にTリンパ球の浸潤が認められ、CD8陽性細胞が多かった。今回の研究方法では従来の組織学的観察に比してUIPでリンパ球系細胞の浸潤が成熟線維化巣内で強調されたが、このようなリンパ球の浸潤所見が病変形成機序に直接関与しているのか慢性経過における二次的な所見であるのかは今後の検討を要する(北市)。 2.コラ-ゲンの分子種の分布についてUIP10例とBOOP5例の開胸肺生検標本を対象として、抗ヒトコラ-ゲン単クロ-ン抗体を用いて免疫組織学的に検討し、UIPの成熟線維化巣と幼弱結合織新生部およびBOOPの肉芽組織においてI、III型コラ-ゲンが同程度の強さで分布していることを明らかにした。IV型コラ-ゲンの分布はUIPの幼弱結合織新生部とBOOPの肉芽組織において認められ、活動性線維化病変に関連したコラ-ゲン分子種の発現である可能性が示唆された(長井)。
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