研究概要 |
1.UIPの肺病変の立体組織学的研究 UIP11例について抗Desmin,抗Vimentin,抗αー1smooth muscle actinの抗体を用いて免疫組織化学的染色を行い。線維化病巣内の平滑筋と推定していた細胞群は平滑筋であると免疫組織化学的に確認するとともに、連続切片を作成して、線維化病変内の平滑筋細胞の一部は細気道壁の平滑筋との連続性が推定される所見を得た。 2肺内コラーゲンの分布に関する研究 UIP10例とBOOP5例の開胸肺生検凍結切片を検体として人胎盤から精製された各種コラーゲンに対する単クローン抗体を用いて免疫組織化学的染色を行った。その結果、UIPの成熟線維化巣と幼弱結合織新生部およびB00pの末梢気腔内の肉芽組織は抗1型コラーゲン抗体と抗III型コラーゲン抗体に対してほぼ同様な染色パターンと染色強度で認められ、上記病変のコラーゲン産生機序が類似している可能性が示唆された。 3肺病変の中に認められる炎症細胞の質的解析に関する研究 U1P18例とB00P12例について検討した。(1)U1P症例ではDAKO-CD3等のモノクDーナル抗体で認識されるT細胞は小葉内の線維化病変内にびまん性に認められ、リンパ瀘胞の周囲には集合して認められた。リンパ球系細胞の浸潤を示す肺胞壁にもT細胞の浸潤が認められた。CD-4陽性細胞はこのようなT細胞の分布にぼぼ一致した存在が認められた。CD-8陽性細胞はリンパ瀘胞の内外に認められた。B細胞はリンパ瀘胞に集中してその存在が認められ、線維化病変内には少数が散在して認められた。(2)BOOP症例ではT細胞は小葉内の間質にびまん性に認められ、一部は末梢気腔内に集団で認められた。CD-4陽性細胞とCD-8陽性細胞はT細胞の分布にぼぼ一致して小は内の間質に認められた。B細胞はリンパ瀘胞に一致して集合した分布が認められた。
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