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1992 年度 実績報告書

遺伝子増幅法(PCR)を用いた結核感染症の迅速DNA診断

研究課題

研究課題/領域番号 03670404
研究機関長崎大学

研究代表者

古賀 宏延  長崎大学, 医学部, 講師 (50225398)

キーワードPCR / 結核 / DNA診断
研究概要

私達は培養に長期間を要する結核菌を対象とし、その分離・同定のためのPCR法について検討を行ってきた。
(1)PCR法の特異性と感度:現在までに数種類の結核菌遺伝子の塩基配列が報告されているが、PCRへの応用という見地から、私達は数組のプライマーを合成し有用性を検討した。その結果38kDa抗原遺伝子の断片に対するPCRが優れており、結核菌群(M.tuberculosis,M.bovis,M.microti,M.africanum)に特異的に反応した。感度はFirst PCRで10pgのDNA量,Second(nested)PCRで10fgに上昇し、菌量としては0.1個まで検出可能であった。
(2)臨床検体からの結核菌の検出:臨床検体として喀痰、胃液、胸水、腹水、髄液、尿などを用い、PCR法による結核菌の検出を試みた。359検体のうち、細菌学的に結核菌が証明された検体は60検体で、うち58検体はPCR法でも陽性、2検体は陰性で、感受性は97%であった。また従来法で結核菌が証明されなかった299検体のうち276検体はPCR法でも陰性で、特異性は92%であった。
(3)その他の抗酸菌に対するPCR:昨今のAIDS患者の増加に伴い、非定型抗酸菌症も増加傾向にあり、その意味では広く一般抗酸菌に反応するPCRも臨床的に重要である。私達はRibosomal RNAをコードする遺伝子がこの目的のために最適であることを確認し、現在プライマーを数種類作成して反応性の検討を行っている。またその後にDNAプローブ法を併用することにより、さらに迅速な同定法に関しても検討中である。
以上のように、当初の目的であった結核菌の迅速検出に関しては満足すべき結果が得られたものと考える。今後はさらに、他の菌種に対しても同様の方法で早期診断法を検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 宮崎 義継.古賀 宏延: "Polymerase Chain Reaction(PCR)を用いた結核診断." 化学療法の領域. Vo18No1. 52-57 (1992)

  • [文献書誌] 古賀 宏延 他5名: "抗酸菌症に対するDNA probe法とPCR法" 結核. 67. 795-802 (1992)

  • [文献書誌] Yoshitsugu Miyazaki etd.: "Nested polymerase chain reaction for detection of Mycobacteria in clinical samples" Journal of Clinical Microbiology.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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