研究概要 |
平成3年度は非放射線標識IL-5cDNAプローブを用いた気管支粘膜生検組織のin situ hybridization(ISH)法の基礎的検討を行った。即ち、各種の陽性及び陰性コントロールを設定し本ISH法の特異性を検討した。その結果、Kayらのグループによって報告されている放射線標識cRNAプローブに比べ感受性の点で若干劣るようであるが特異性は認められることから、次年度からもこの方法で行うことを決めた。平成4年度は、喘息患者及び非喘息患者より気管支粘膜組織を採取、上記プローブを用いてIL-5mRNAの発現の有無をみた。また、実際にIL-5蛋白が合成せれるかをみるため抗IL-5mAbを用いて免疫染色を行いこれを確認した。平成5年度は、更に検討症例数を増やした。最終的にIL-5mRNAは喘息患者8例中6例で、IL-5蛋白は2例で陽性であることを確認した。また、気管支粘膜組織におけるIL-5mRNA陽性細胞の分布とCD_4陽性細胞の分布は類似することからIL-5産生細胞はヘルパーT細胞である 可能性が高いことが示唆された。平成5年度は上記とは別に、抗原で刺激された喘息患者のリンパ球が放出する、既知のサイトカインでない好酸球遊走物質の症状を解明すべく、抗原刺激,非刺激のリンパ球より抽出したcDNAライブラリーにてsubtrastive hybridizationを行ったが、抗原刺激により著しく増えたgeneの中に好酸球遊走活性と結びつきそうなものはなかった。
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