研究課題/領域番号 |
03670427
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
北村 伸 日本医科大学, 医学部, 助手 (40161492)
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研究分担者 |
坂本 静樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (70225811)
氏家 隆 日本医科大学, 医学部, 助手 (50185005)
添田 敏幸 日本医科大学, 医学部, 助手 (70154698)
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キーワード | MRI / 脳室周囲高信号域 / 痴呆 / 多発性脳梗塞 / 脳血流量 / 脳酸素消費量 / 虚血 / ポジトロンエミッショントモグラフィ- |
研究概要 |
MRIT_2強調画像における側脳室周囲高信号域(PVH)は、加酸,虚血性脳血管障害、そして痴呆と関係があるとされており、病理学的検討からはPVHの背景に虚血性の変化のあることが示唆されているが、脳循環代謝の面からは、虚血の関与についてはまだ明かにされていない。そこで、MRIT_2強調画像上におけるPVHと虚血および痴呆との関係を明かにするため、脳循環代謝の面から検討をした。 MRIで皮質には病巣を認めないが、白質や基底核部に病巣を認める皮質下多発性脳梗塞患者25例(PVH群15例、非PVH群10例)について、 ^<15>O持続吸入法を用いたポジトロンCTにより、脳血流量(CBF)、脳酸素抽出分画(OEF)、そして脳酸素消費量(CMRO_2)を測定した。 その結果、PVH群の前頭葉皮質、頭頂葉皮質およびPVH領域でのCBFは非PVH群と比較して有意に低値を示した。そして、各皮質領域およびPVH領域でのOEFは有意に増加していた。PVH領域でのCBFの低下とOEFの増加は痴呆例および非痴呆例にも認められ、CMRO_2痴呆例において有意の低下を示した。PVH群での皮質のOEFの有意な増加は非痴呆例において全ての皮質領域で認められたが、痴呆例においては前頭葉皮質でのみ有意な増加が認められた。 以上の結果より、多発性脳梗塞例におけるPVHは、同領域および皮質領域での虚血と関連があり、その結果として痴呆発現に至ることを示唆していると考えられた。
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