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1991 年度 実績報告書

モノクロ-ナル抗体を用いた画像診断法:各種心疾患における臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 03670441
研究機関東京大学

研究代表者

山沖 和秀  東京大学, 保健センター, 講師 (70182409)

研究分担者 世古 義規  東京大学, 医学部, 助手
矢崎 義雄  東京大学, 医学部, 教授 (20101090)
キーワードモノクロ-ナル抗体 / 心筋梗塞 / 画像診断 / シンチグラム / 心筋症 / 心筋炎 / 狭心症 / インジウム
研究概要

【目的】我々は、心筋ミオシン重鎖に対するモノクロ-ナル抗体を用いた画像診断法を開発し、実験的心筋梗塞にて、その有用性を示してきた。今年度は、心筋梗塞、心筋症、心筋炎など心筋壊死を伴う諸疾患を中心に、臨床例における本法の有用性を検討した。【方法】上記疾患の症例において、抗ミオシン抗体(インジウム標識:2mCi)を投与後、経過を追って、48時間後まで、シンチグラムを撮像した。【結果】皮内反応陽性例(発赤のみ)を稀に認めたが、それ以外には抗体投与に伴うは認めなかった。発症2週以内の急性心筋梗塞例では、約80%の例で、臨床的に推定される梗塞部に一致した抗体の取り込みを認めた。陰性例は、心内膜下梗塞など梗塞サイズが小さい例や、下壁梗塞例に認められた。陽性例では、静注後6時間では、血中に残存するインジウム活性が障害となり、判読困難であったが、24、48時間目には、梗塞部に明かな取り込みを認めた。冠血栓溶解療法や、冠動脈拡張術を施行し、再灌流が得られた例では、抗体の取り込みが強い傾向があった。梗塞後2週を越えた亜急性〜慢性梗塞例では、全例、陰性であった。不安定狭心症や、拡張型心筋症、心筋炎などは、いずれも少数制だが、全例陰性だった。【考案】本法にて、急性心筋梗塞を高率に陽性像として抽出できた。今回の抗体は標識法を改良し、血中排泄率を促進したもので、抗体投与後24時間から、良好な陽性像が得られた(米国セントコア社の抗体では、48時間後でないと良好な像が得られない)。また、米国の抗体を用いた報告では、発症後数カ月から9カ月程度の慢性梗塞例でも、抗体の取り込みを認めているが、今回の検討では、慢性例では、陽性例はなく、その解釈については今後の問題である。以上、本検査法は、特に心筋梗塞の画像診断法として有用と考えられた。更に、梗塞サイズの定量評価、梗塞以外の疾患における有用性など、今後の課題と考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshinori Seko: "Expression of perforin in infiltrating cells in murine hearts with acute myocarditis caused by coxsackievirus B3." Circulation. 84(2). 788-795 (1991)

  • [文献書誌] Makoto KuroーO: "cDNA cloning of a myosin beary chain isoform in embryonic smooth muscle and its expression during vascular development and in arteriosclerosis." J.Biol.Chem.266(6). 3768-3773 (1991)

  • [文献書誌] Issei Komuro: "Mechanical loading stimulates cell hypertrophy and specific gene expression in cultured rat cardiac hyocyter Possible role of protein Kinase C activation" J.Biol.Chem. 226(2). 1265-1268 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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