研究課題/領域番号 |
03670445
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
岸本 千晴 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (70169845)
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研究分担者 |
黒川 昌彦 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80186527)
落合 宏 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30018692)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | ウイルス性心筋炎 / 拡張型心筋症 / 抗体依存性再感染 / 重複感染 / 障害性T細胞 / Superposed infection / Coxsackievirus B3 |
研究概要 |
マウスのマクロファージのcell lineである(P388D1細胞)に一定量のコクサッキーB3ウィルスと、抗体中和濃度域を含む様々に希釈された抗コクサッキーB3ウイルス血清を37℃、60分反応後、感染させ、48時間後、上清をVERO細胞下でプラーク・アッセイした。また、抗コクサッキーB3ウイルス血清よりFabフラグメントを精製し、前述と同様の実験を行った。Fabフラグメント抗体ではなく全lgG抗体を用いた実験系で、中和抗体価域前後でプラーク数の有意な上昇がみられた。In vivioの実験では、2週令、オスのC_3H/Heマウスに、種々の濃度のamyocarditicなコクサッキーB3ウイルスを接種し、中和抗体価が十分上昇したと思われる15日後に、myocarditicなコクサッキーB3ウイルスを再感染させた。中和抗体低濃度域のマウスで再感染が成立すると共に心筋炎の程度が上昇し、in vitroのみならずin vivoでもマクロファージでのFcレセプターを介した抗体依存性感染の成立が証明されることになる。 他の腸管系ウイルスによる二次感染の可能性も検討した。すなわち、コクサッキーB3ウイルスにて心筋炎を生じさせたマウスに、中和抗体レベルが殆ど検出されなくなる頃(90日後)、コクサッキーB1ウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、encephalomyocarditisウイルスを再感染させた。一度コクサッキーB3ウイルスをメモリーしたTリンパ球が、腸管系ウイルスに共通のウイルス・エピトープを認識し、encephalomyocarditisおよびヘルペスウイルス以外で、重複感染による心筋炎の程度が増強された。
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