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1991 年度 実績報告書

肥大型心筋症から拡張型心筋症類似病態に至る生化学的機序

研究課題

研究課題/領域番号 03670456
研究機関愛媛大学

研究代表者

濱田 希臣  愛媛大学, 医学部, 助教授 (30127906)

研究分担者 松岡 宏  愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (10238991)
岩田 猛  愛媛大学, 医学部, 助手 (10193749)
キーワード肥大型心筋症 / クレアチンキナ-ゼ / 乳酸脱水素酵素 / アイソエンザイム / クレアチンキナ-ゼアイソフォ-ム / 心エコ-図 / 心電図
研究概要

平成3年度は、当初の計画どうり、肥大型心筋症の心筋逸脱酵素の変動について以下の2点につき検討した。
第1点として、CPKの3つのisoform MMa、MMb、MMcの変化につき検討した。MMaは心筋組織内isoformであり、血中レベルは通常低値である。今回検討した血中におけるMMa,MMb、MMcの各レベルは正常対照群では11%、22%、41%であるのに対し、肥大型心筋症群では19%、27%、34%でありMMa、MMbは肥大型心筋症で有意に高値、MMcは有意に低下していた。MMa/MMc比は対照群では0.30;肥大型心筋症群では0.61と肥大型心筋症群で有意の高値を示した。以上の結果は肥大型心筋症患者では心筋内から血中へのMMaの逸脱が亢進しており慢性の心筋障害が存在することを示している。(Clinical Science 1991;81:723ー726)。
第2点として、CPK、LDHの各isozymeの変化と心電図、心エコ-図の変化について検討した。CPK、LDHのisozymeとしては心筋分画を反映するCPKーMB、LDH_1について検討した。心エコ-図は心室中隔厚、左室後壁厚、左室拡張末期径(平均観察期間78カ月)の変化を、心電図は標準12誘導のQRS電位の総和の変化を検討した(平均観察期間84カ月)。CPKーMBの異常高値(>2.5%)及びLDH_1が30%以上を示す症例は肥大型心筋症患者の約65%に認められた。コエコ-図所見では心室中隔厚、左室後壁厚とも有意の減少を、また左室拡張末期径は有意の高値を示した。心淡図のQRS電位の総和は32.60mVから25.20mVへと有意の減少を示し、10%以上の減少を示した症例は約60%に認められた。以上の結果は、肥大型心筋症の多数例において、著しい心筋障害が進展していることを示しており、この変化に、心筋逸脱酵素の持続的上昇が強く関与していることを示している(Lancetに投稿予定)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mareomi Hamada,et al.: "Serum creatine kinase MM isoforms in hypertrophic cardiomyopathy" Clinical Science. 81. 723-726 (1991)

  • [文献書誌] Mareomi Hamada,et al.: "Persistent elevation of serum creatine phosphokinase,lactic dehydrogenase and their isoenzymes in patients with hypertrophic cardiomyopathy" Lancet.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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