研究課題/領域番号 |
03670456
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
濱田 希臣 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30127906)
|
研究分担者 |
住元 巧 愛媛大学, 医学部, 助手 (10187809)
重松 裕二 愛媛大学, 医学部, 助手 (90206087)
|
キーワード | 肥大型心筋症 / 核磁気共鳴画像 / タリウム心筋シンチグラム / 冠状動脈 / 冠動脈-左室腔シャント / 心筋虚血 |
研究概要 |
平成5年度は肥大型心筋症の心筋性状を把握する目的で核磁気共鳴画像(MRI)による評価を行った。MRIはSE法による評価に加えdiethylene triamine pentaacetic acid(Gd-DTPA)負荷による評価も行った。肥大型心筋症では60%強の症例においてGd-DTPAで造影効果が認められた。平成3年、4年に報告した肥大型心筋症で持続的に認められる心筋逸脱酵素の上昇を観察して明らかにした心電図上のQRS電位の減少並びにタリウム摂取の減少を合わせ考えると、Gd-DTPAの造影効果も左室心筋の障害あるいは変性を示唆する所見と考えられる。 肥大型心筋症で認められる持続的心筋障害の原因を明らかにする目的で本症の冠動脈造影所見を解析した。冠狭窄、冠攣縮を有さない肥大型心筋症患者48例の冠動脈所見を解析し以下の結論を得た。肥大型心筋症では左右冠動脈は対照群に比し冠動脈径は有意に大であった。更に肥大型心筋症では20症例(42%)において冠動脈から左室腔へのシャントが存在した。シャント量の多い症例では一回の冠動脈造影用の造影剤で左室腔が描出された。シャントを有する症例の70%では胸痛を認め、逆に胸痛を有する症例の61%でシャントが認められた(Circulation,1993;88(Part2):I-211)。冠動脈から左室へのシャントは心筋虚血の一因であり、持続する心筋障害とも密接な関連のあることを示唆している。
|