若年男性ボランティア22名(平均年齢22±1才)を対象に、無作為に増塩食あるいは減塩食10日以上摂取後および減塩食あるいは増塩食を10日以上それぞれ摂取後、携帯型自動血圧計(ABPM630)にて48時間血圧を測定した。同時に携帯型蓄尿器(ユリメ-トP)を用い尿中Na、Kおよびカテコラミン排泄量を測定した。夜間睡眠時の血圧は、全例において昼間の血圧に比べ有意に低下していた。一方、食塩摂取量の変化に伴う血圧の変化は、増塩期に有意に上昇する群と反対に不変ないし抵下する群に分かれた。尿中Na排泄量は増塩食期(200ー300mEq)は減塩食期(30ー80mEq)に比べ有意に増加していたが、両群間に有意差を認めなかった。また、尿中ノルエピネフリン排泄量も両群間に有意差を認めなかった。 一方、Microneurography法により筋交感神経活動を全例にて測定予定であったが、大学施設移転工事等のため、一部の例においてのみ施行可能であった。現時点では、増塩食および減塩食による筋交感神経活動の変化を統計学的に解析するまでには至っていない。今後、例数を蓄積し、食塩摂取量の変化に伴う血圧変化とその時の交感神経活動の変化をさらに検討して行く予定である。
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