研究分担者 |
奥山 博司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30133333)
忠岡 信一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30188255)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
松村 幹郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70052975)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
|
研究概要 |
冠血流は,潅流圧を変化させた場合の流量調節である″自己調節″,短い時間の冠動脈閉塞後の再灌流時に見られる″反応性充血″,運動負荷,心筋酸素消費量が増加したときに見られる″負荷血流量増加″などに見られるように巧妙なコントロールシステムを有している。この冠血流調節はアデノシンやPco_2,Po_2を含めた代謝性困子や血管内皮を介した調節因子など種々の機能の″コンサート調節″であると考えられる。本研究では,最近再び脚光をあびつつある″筋性調節″に注目し,″自己調節″,″反応性充血″,″負荷血流量増加″などの生理的な冠血流調節下でその寄与を解析するとともに,心筋虚血などの病的状態でのその意義について明らかにすることを目的とした。 ここでは,進展の著しかったin vivoの実験結果を中心に報告する。心外膜側の微小血管を観察するため,ニードルプローブ型CCD生体顕微鏡を用いた。心外膜側の微小血管はニードルプローブを観察部位に軽く接触させて行い,心内膜側については左心耳より僧帽弁を介して左心室内にニードルプローブを導入し観察部位に接触させつつ,37℃のクレブスリンゲル液で視野を確保した。心外膜側の細動脈は収縮期に直径が増大したが,心内膜側のそれは収縮期に逆に直径が約20%減少した。20秒間に冠動脈遮断による反応性充血時の細動脈の反応をみると,約20秒間に直径が最大となって後,1分ぐらいで対照時の値に復帰するが心内膜側の方が復帰が遅延傾向にあった。房室ブロックにより長い拡張期を誘発すると,冠細動脈は大動脈圧の減少とともに直径が減少したが冠細静脈は最初直径が増大して後一定値におちついた。ニトログリセリンは冠細動静脈ともに直径を増大させるとともに,一心周期内の直径変化量も増大させた。
|