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1991 年度 実績報告書

家族性(持続性)高TSH血症の成因解析

研究課題

研究課題/領域番号 03670480
研究機関千葉大学

研究代表者

安田 敏行  千葉大学, 医学部・小児科, 講師 (00211615)

研究分担者 新美 仁男  千葉大学, 医学部・小児科, 教授 (40009147)
キーワード家族性高TSH血症 / TSH受容体 / TSHβ鎖 / TSHα鎖 / 受容体異常症
研究概要

家族性高TSH血症の特徴は、(1)先天性・家族性(2)軽度TSH高値でT4正常(3)知能及び成長は正常(4)甲状腺は正常大(5)TSHの希釈曲線は原点を通る事である。以下TSHとα鎖が同一なLH・FSHの正常な本家系のTSHの受容体およびTSHβ鎖遺伝子の異常の有無を解明せんとした。(1)PCR法によるTSHβ鎖遺伝子並びにTSH受容体遺伝子の増幅(2)DNA塩基配列の点変異異常スクリ-ニングとしてSSCP(Single strand conformation polymorphism)並びにTGGE(Temperature gradient gel electrophoresis)法の確立(3)直接塩基配列決定をおこなった。本研究開始後ヒトTSH受容体の遺伝子構造が判明(BBRC177:679,91)し膜貫通部位のみならずTSH受容体のほぼ全コ-ド領域の遺伝子解析が可能となった。TSHβ鎖遺伝子の解析は終了しDNAの塩基配列を含め正常であった。この事から私どもの症例のTSHに異常はないと考えられる(生物活性はさらに確認中)。TSH受容体遺伝子の膜貫通部位の遺伝子増幅、SSCP法による点変異のスクリ-ニングおよび直接塩基配列の解析を継続中である。現在までTSH受容体異常症の報告はなく私どもは世界に先駆け本症の病因を解明せんとしている。別な家系でTSHとα鎖を共有するLH・FSH共高値(前述の2家系では正常)である家系が見出された。この家系ではTSHα鎖の異常あるいはGTP結合蛋白の異常が考えられ、後者の場合偽性副甲状腺機能低下症Iaとの差異が問題となるが、本家系の副甲状腺ホルモン値は正常であり知能障害或は低身長もない。今後赤血球膜GTP結合蛋白活性の測定を行う予定である。今後症例の解析からTSHの作用機序に新知見が得られることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 新美 仁男,佐々木 望,安田 敏行,上瀧 邦雄: "先天性家族性高TSH血症" 千葉医学. 67. 63-69 (1991)

  • [文献書誌] 上瀧 邦雄,安田 敏行,新美 仁男: "Direct DNA sequen cing法によるTSHβ鎖遺伝子の解析" ホルモンと臨床. 39. 95-98 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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