研究課題/領域番号 |
03670502
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁 福島県立医科大学, 医学部・小児科学講座, 教授 (80045682)
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研究分担者 |
鈴木 順造 福島県立医科大学, 医学部・小児科学講座, 講師 (20171217)
弓削田 英知 福島県立医科大学, 医学部・小児科学講座, 講師 (90136995)
加藤 一夫 福島県立医科大学, 医学部・小児科学講座, 助教授 (40136990)
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キーワード | IgA腎症 / エンテロウイルス / ウイルス性腎炎 |
研究概要 |
これまでの検討で、ウイルスを断続的に静脈内接種をすることによってヒトIgA腎症に類似した病変が生ずることを明らかにしたが、これらの組織病変がcirculating immune complex(CIC)によって生ずるものか、それともinsitu immune complex(insitu IC)によるものかは明確ではなかった。今回は、これらを検討する目的で、ウイルスを皮下注射にて予めマウスを免疫してから、静脈内に接種した群と非免疫群とを作成し、組織学的ならびにウイルス学的に比較検討した。その結果、免疫群ではウイルスの静脈内接種によって、メサンギウム増殖を伴う腎組織病変が得られるものの、これは血清IgG,IgA値の低下に伴った一過性の変化であって、その後速やかに修復された。 一方、非免疫群ではウイルスの静脈内接種によって、血清IgG値およびウイルス抗体価(中和抗体価:NT値)は経時的に上昇した。血清IgA値は一過性の上昇を示し、組織学的には軽度のメサンギウム増殖を認めた。なお、ウイルスの1回静脈内接種によって、蛍光抗体法ではウイルス抗原は、メサンギウム領域に28日間にわたって認められ、insitu-PCR法でも同様に陽性であった。即ち、静脈内接種されたウイルスは、長期間メサンギウム領域に留まり、その場においてinsitu ICを形成することによって、腎病変を惹起する可能性が示唆された。
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