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1992 年度 実績報告書

質量分析計によるプロスタグランディン微量測定を用いた運動誘発性喘息の機度解明

研究課題

研究課題/領域番号 03670508
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

永倉 俊和  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30125025)

研究分担者 坂口 直哉  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80215623)
正木 拓朗  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00119851)
キーワード運動誘発性喘息 / 質量分析計 / プロスタグランディン
研究概要

運動誘発性喘息の際の血中、尿中のプロスタノイドの濃度を質量分析計を用いて制定した。方法は重水素標示体プロスタグランディンを内部標準物質として使用する、SIM法である。エレクトロンインパクト法によりフラグイン化した。測定感度は20-30ピコグラムであった。エルゴメーターを用いて質荷直後の心拍数が最大心拍数の80%以上となるように規定の負荷量を6分間負荷した。肺機能はオートスパイロメーターを用いて、ピークフローレイト、1秒量を、負荷前、直後、5分後、15分後、30分後に測定した。運動誘発喘息陽性群では1秒量は平均38.5%低下した(5分後)。その後徐々に負荷前値に復し、1時間後にはほぼ、負荷前値となった。運動誘発喘息陰性群では、1秒量はほとんど変化せず、5分後の低下も2.8%であった。
プロスタグランディンD_2の主代謝物である9α-11βプロスタグランディンF_2は、運動誘発性喘息陽性群では、平均85.6%と上昇した(尿中)、一方、運動誘発性喘息陰性群では、平均35%しか上昇しなかった。この9α-11βプロスタグランディンF_2の血中濃度を経時的に調べたところ8割の症例において尿中の増加に呼応して上昇がみられた。この9α-11βプロスタグランディンF_2は平滑筋収縮作用を著しいため、運動誘発性喘息における重要な化学伝達物質と考えられる。
従来、ロイコトリエンE_4を含めてオータコイドの運動誘発喘息における関与は否定的な報告がないが、今回の結果は、それらを否定する新しい知見であり、運動誘発喘息の新しい機序の新しい手がかりといえよう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 永倉俊和: "喘息 '91" メディカルレビュー社, 198 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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