8人の運動誘発性喘息(EIA)陽性の患児及び8人のEIA陰性の喘息児を対象とした。運動負荷方法は自転車エルゴメーターを用いた。負荷量は最大酸素摂取量の80%となるように設定し、6分間運動負荷を行った。運動負荷前および負荷の1時間後に採尿し、尿中のトロンボキサンB_2(TXB_2)および11-dehydro TXB_2を測定した。トロンボキサンの量は尿中のクレアチニン1mg当りに換算した。 さらにTXB_2の合成阻害薬であるOKY-046(キッセイ薬品)を1週間1日2回内服させその後の運動負荷に対してEIA抑制効果がみられるかSingle Blind Crossover法により検討した。 肺機能はオートスパイログラムにより経時的に測定した。 OKY-046はEIAによる1秒量の低下を有意に抑えた(p<:0.05:5分後、p<0.05:15分後)。また尿中のトロンボキサン量は、運動負荷では有意の変動を示さなかったが、OKY-046の1週間投与ではその尿中のBaselineは有意に(p<0.05)低下した。これらのことはEIAの発症機序にトロンボキサンが関わっている事を示唆する。
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