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1991 年度 実績報告書

ニ-マンピック病マウスモデルの病因解明と胎児肝細胞移殖による治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 03670509
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

所 敏治  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40112841)

研究分担者 井田 博幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90167255)
佐々木 伸彦  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50170684)
伊藤 文之  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (10057010)
衛藤 義勝  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (50056909)
キーワードNemannーPick病 / コレステロ-ル / コレステロ-ルエステル / 細胞内転送機構 / 胎児肝細胞移植
研究概要

北川らにより紹介されたNiemannーPick病マウスは、スフィンゴミエリナ-ゼのアイソザイムの異常が示唆されているが、本症の病因は依然明らかでなく、その解明が待たれている。我々は、本症の病因解明のためコレステロ-ルの代謝を中心に検討し以下の興味ある結果をえた。
1)遊離コレステロ-ルおよびLDL(Low Density Lipoprotein)の2種のコレステロ-ルを用い、NPDマウス培養皮膚線維芽細胞におけるコレステロ-ルのエステル化を検討し、本症における外因性コレステロ-ルのエステル化障害が存在し、ヒトのエステル化障害と酷似していることを見いだした。
2)同様NPD培養皮膚線維芽細胞およびマウスに ^3Hー酢酸を負荷することにより、内因性コレステロ-ルの著しい蓄積を見いだした。現在、コレステロ-ルのエステル化障害およびコレステロ-ルの合成障害の有無を検討中である。
3)NPDマウスDRG(Dorzal Root Ganglion)を用いシュワン細胞においても培養皮膚線維芽細胞同様培積系において外因性コレステロ-ルの蓄積を組織化学的に証明した。
4)CSD(PentchevによりNPDのモデルマウスとして紹介された。NPDタイプCにより近い。)とNPDマウス交叉実験を行い、ミュ-タント子マウスで臨床症状および生化学的異常の改善を認めず、両疾患マウスの病因に関係した遺伝子異常が同一遺伝子上に存在すると思われる結果を得た。
以上これまでの研究により、NPDマウスでヒトNPDタイプCと同様、明らかに(1)外因性コレステロ-ルのエステル化障害と(2)内因性コレステロ-ルの著しい蓄積が見いだされ、さらに(3)CSDマウス(コレステロ-ル代謝異常がその病因と考えとられている)と本症マウスの交叉実験により、両疾患が遺伝学的に近似している事より、本症NPDマウスの病因は、コレステロ-ル代謝、特にその細胞内転送機構の障害によるものと考えられ、本症マウスはヒトNPDタイプCにより近いモデルと思われる。今後、本症培養皮膚線維芽細胞を用い細胞内転送機構を含めたコレステロ-ルの細胞内ホメオスタ-シスを検討する。さらに本症を含めた先天代謝異常症の遺伝子治療の基礎的研究として、胎児肝細胞の本症胎児への移植を検討し、最終的には胎児肝細胞に遺伝子を導入し、従来未解決のままになっている早期遺伝子発現消失の認めない新しい遺伝子治療法を開発する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 所 敏治他: "ニ-マンピック病モデルマウスにおけるコレステロ-ルエステル化障害に関して" 脳と発達. 23. 98-100 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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