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1991 年度 実績報告書

遺伝性テトラヒドロビオプテリン欠乏症の診断と治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670512
研究機関日本大学

研究代表者

大和田 操  日本大学, 医学部・小児科, 助教授 (40059506)

研究分担者 岩瀬 宗則  日本大学, 医学部. 小児科, 助手 (90223396)
中林 啓記  日本大学, 医学部. 小児科, 助手 (50237369)
崎山 武志  日本大学, 医学部. 小児科, 講師 (20130510)
キーワードフェルアラニン水酸化反応 / プテリン化合物 / テトラヒドロビオプテリン(BH_4) / フェニルケトン尿症 / BH_4欠乏症 / FukushimaーNixon法
研究概要

フェニルアラニン(Phe)水酸化酵素には補酵素としてプテリン化合物の一種であるテトラヒドロビオプテリン(BH_4)が必要であり、BH_4生合成の遺伝的な障害症においては、BH_4欠乏とともに高Phe血症が認めらめる。BH_4欠乏症では、Phe制限食を与えて血清Phe値を低下させても、痙攣、筋緊張亢進などの神経症状が進行するため、BH_4投与などの薬物療法が必要で、早期にフェニルケトン尿症と鑑別しなければならないが、その鑑別には体液中のBH_4の分析が必須であり、しかもその分析は容易でない。BH_4欠乏症の鑑別診断と、薬物療法の効果判定に使用する目的で体液中のBH_4の微量分析法の開発を試み、以下の成果を得た。
1)BH_4直接分析法の開発:従来プテリン分析の広く使用されている高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)法、即ちFukushimaーNixon(FーN)法ではBH_4を直接検出できないため、強酸性イオン交換樹脂カラムを使用し、アンモニアのグラジェントによってプテリン化合物を分析する系を開発した。本法により、尿中に存在するBH_4をはじめ、ネオプテリン、ビオプテリン、プテリン、ジヒドロビオプテリンなどが約1時間の行程で明瞭に分析できた。また、本法では試料の前処理が不要であり、FーN法の欠点、即ち煩雑な試料の前処理行程を省くことができた。2)直接法の臨床応用:本法を使用することにより、現在3種類の酵素障害が明らかにされているBH_4欠乏症の全ての病型を容易に鑑別することが可能となった。また、我々の追跡しているBH_4欠乏症4例(PTPS欠乏症3例、DHPR欠乏症1例)に対しては天然型BH_4の投与を行っているが、これらの症例の尿中BH_4を追跡することにより、BH_4投与量が至適か否かの判定が容易に行えるようになったことは、本法の臨床応用の良い証拠と考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sugaki,K&Owada,M: "A simple and sensitive method for the determination of pterins in cerebrospinal fluid..Clinical usefullness for management of tetrahydrobiopterin deficiency." J.Inher.Metab.Dis.14. 825-830 (1991)

  • [文献書誌] 大和田 操,小野 正恵,鈴木 健: "Maternal phenylketonuria" 小児内科. 23. 1905-1910 (1991)

  • [文献書誌] 谷本 由美,花岡 陽子,大和田 操: "小児期発症NIDDMの薬物療法に関する研究" 日本小児科学会雑誌. 94. 2640-2647 (1990)

  • [文献書誌] 阿部 紀子,大和山 操: "ペプチドを蛋白原料とした低フェニルアラニンミルクによるPKUの長期治療に関する研究" 日本小児科学会雑誌. 96. 31-41 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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