研究課題/領域番号 |
03670516
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
桜庭 均 (財)東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門・研究 (60114493)
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研究分担者 |
石井 達 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00222935)
加瀬 良一 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20150203)
伊藤 孝司 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
大島 章弘 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20203763)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 遺伝子発現 / フィブリー病 / α-ガラクトシダーゼ / バキュロウイルス / 酵素補充療法 / 共焦点レーザー走査型顕微鏡 / ガラクトシアリドーシス / 保護蛋白質 |
研究概要 |
先天代謝異常症の病態に関して、遺伝子レベルではもちろん、直接的に疾患を規定すると考えられる蛋白質並びに細胞レベルでの解明を目指して、研究を行った。対象疾患として、ファブリー病(α-ガラクトシダーゼ欠損症)とガラクトシアリドーシス(保護蛋白質欠損症)の2つのリソソーム蓄積症をモデルに選んだ。ファブリー病の詳細な臨床的研究を行い、従来知られている典型的臨床像を示す古典型の他に、穏やかな経過をとり、心筋障害を主とする亜型が、存在することを明らかにした。古典型と亜型ファブリー病の病因となる遺伝子変異を同定し、遺伝型と表現型の関係を解析した。前者では、欠失、ナイセンス変異、スプライシング変異やアミノ酸置換など、病因となる変異は多様であるが、最終的に発現される酵素活性は、ほぼ完全に欠損を示した。一方、亜型でみられた変異は、当該遺伝子の特定領域に集中したアミノ酸置換で、いずれも残存酵素活性を示し、このわずかな活性の存在が臨床像の違いを来たすものと考えられた。バキュロウイルス/昆虫細胞の系を用いて、α-ガラクトシダーゼの大量産生系を作製した。発現された酵素蛋白質は、酵素学的性質において、ヒト臓器から精製された酵素と変わりなく、その投与により、患者由来の培養細胞中の酵素活性を回復させた。今後、標的組織への取り込みの効率を上げることにより、酵素補充療法に使用可能と考えられた。基質に対する特異抗体を用いた免疫蛍光染色法と共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いた画像解析法とを組み合わせ、細胞中の基質蓄積度を解析するシステムを作り、ファブリー病の保因者診断法を開発した。ガラクトシアリドーシスの病因となる多くの病因遺伝子変異を同定した。また、ヒト保護蛋白質遺伝子を哺乳類由来の細胞中で発現させ、産物の性状を解析した。その結果、保護蛋白質は、保護機能の他に、それ自体が酵素活性を持つ多機能蛋白であることが示された。
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