研究概要 |
当初の計画に従い、PCR法を用いて変異mtDNAをスクリ-ニングした。検出例につしては、サザンブロット法ないし塩基配列決定法で変異mtDNAを確認し、mRNAを抽出中である。ところで変異ミトコンドリアを培養細胞中に維持することは、困難であることが知られている、その困難であるという事実をもってして、ミトコンドリア異常の組織特異的表現の由来とする論議もなされている。そこで、筋細胞培養が正常細胞にくらべそのin vitroにおける生存能の不足があることを証明する一方、この変異ミトコンドリアの検出状況を指標として、私達の培養系が持つ、疾患由来の細胞の特性の維持に関する利点についての報文をまとめた(投稿中) 次に、変異mtDNA保有細胞とHeLa細胞変異株とサイブリの作成を試みた。ミトコンドリアのDNA異常は、変異mtDNAと正常DNAが共存するヘテロプラスミ-をなして細胞に存在する様式をとるので、先のスクリ-ニングの結果変異mtDNAの比率の高かった症例を選択した。当該の症例の皮膚線維芽細胞にも、高率で変異DNAが存在が認められた。従って大量培養法により適する皮膚線維芽細胞のミトコンドリアとless mtDNAの細胞とを用いて、サイブリットを作った。抽出したmRNAをノ-ザンブロット分析により分析を行ない、細胞に、Sーメチオニン・アイソト-プラベルし,電気泳動法により,酵素タンパクサブニットの分析を行なった。(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1991,88:10614ー10618)
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