研究課題/領域番号 |
03670517
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
菊池 愛子 国立精神神経センター, 神経研究所微細構造研究部, 研究員 (70159010)
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研究分担者 |
加茂 功 国立精神神経センター, 神経研究所微細構造研究部, 室長 (70108489)
埜中 征哉 国立精神神経センター, 神経研究所微細構造研究部, 部長 (80040210)
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キーワード | ミトコンドリア / 培養細胞 / データベース / 細胞バンク |
研究概要 |
1。変異ミトコンドリアを有する細胞について、細胞バンク並びにそのデータベースを新たに作成した。関連疾患患者個々について筋と皮膚さらに疾患によっては血球を培養し、さらに固有の性格をもつ種々の継代細胞を揃え、のべ、2000以上の細胞の情報システムを整えた。これらの細胞は、貴重な遺伝子蓄積に等しく、またその表現型を再現する場を提供をする。異常ミトコンドリア遺伝子の試験官内維持については、従来培養継代数が3代以上になるると淘汰され、細胞より失われるとされてきが、私達が開発した培養及び凍結保存法により異常遺伝子の細胞内保持が可能となり、以下の実験に供することができた。 2。変異ミトコンドリアを有する細胞に恒久的な増殖能を付与し、また核遺伝子との関連を明らかにするためには、当該の細胞に、遺伝子導入によ不死化をはかり、また、HeLa細胞など株化細胞とのハイブリッド、あるいはサイブリッドなど雑種形成をはかることが考えられる。まず、患者由来の培養筋細胞の、SV40、Polyomavirus、p53遺伝子導入により、高増殖能及び筋分化能を有する細胞を確立し、同じミトコンドリアDNAのdeletion(欠失)を見いだした。 3。HeLa細胞より、EtBrならびにDAPI処理により、ミトコンドリアDNAを排除できた。、このうちEtBr細胞と、変異ミトコンドリアDNAを有する細胞とでサイブリッドを作らせたところ、変異ミトコンドリアDNAが保有されているクローンが分離でき、その遺伝子型質が発現していることを分子生物学的、生化学的、確かめることができた。すなわち、ミトコンドリアの異常はミトコンドリアDNAと核DNAの双方がコードしている酵素の異常を伴うが、核コード遺伝子は正常でもミトコンドリアDNAに異常があると親細胞に類似した生化学的異常が保有細胞上にもたらされることが確かめられた。
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