研究課題/領域番号 |
03670525
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
段野 貴一郎 京都大学, 医学部, 講師 (00115883)
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研究分担者 |
岡本 祐之 京都大学, 医学部, 講師 (10142291)
立花 隆夫 京都大学, 医学部, 助手 (40179718)
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キーワード | 〓痒 / 透析 / マスト細胞 / 紫外線 / 神経 / ヒスタミン |
研究概要 |
1.〓痒を伴う人工透析患者血清添加によるマスト細胞からのヒスタミン遊離機序 ラット腹腔より調整したマスト細胞に〓痒を伴う透伴う透析患者の血清を添加したとろ、〓痒を伴わない透析患者血清を加えた群に比べて、ヒスタミン遊離率が有意に高値を示した.後者のヒスタミン遊離率は、正常人血清又はバッファ-を加えた群と同等であった.患者血清中のヒスタミン含有量は〓痒の有無にかかわらず、正常人と差が認められなかった. したがって,〓痒を伴う透析患者血清中には、マスト細胞を脱顆粒させ、ヒスタミンなどの〓痒惹起メディエ-タ-を遊離させる因子を多く含むことが分った.血中起痒因子の実体については、現在検討中である. 2.柴外線照射による止痒効果の検討 紫外線をマスト細胞に照射し、〓痒を伴う透析患者血清と反応させたとろ、マスト細胞に照射し、〓痒を伴う透析患者血清と反応させたところ、マスト細胞からのヒスタミン遊離率は、無処置細胞に比べて、有意に抑制された.紫外線の血中起痒因子への影響は現在検討中である.紫外線の止痒効果は、マスト細胞の脱顆粒抑制によるらしい. 3.神経終末の病理的変化 最近開発された神経特異抗体(PGP9.5)を用いることによって、皮膚内の神経分布が組織化学的に明瞭となった.神経終末は、表皮内にも多く分布しており、〓痒の伝達に大きく関与していることが示唆された. 紫外線照射によって、これら皮膚浅層の神経分布パタ-ンは大きく変化した.紫外線照射は神経線維にも傷害を与えることから、止痒効果の奏効機序の一つとして今後興味がもたれる.
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