研究概要 |
1.新しい撮像法の開発 RF type echo planar法の一つであるRARE法をもとに,これに改良を加えて臨床的に有用性の高いT2強調画像を短時間で撮像可能なmultishot RARE法,およびtwoーcontrast RARE法を開発した.これを汎用商用MR装置であるSIGNA(静磁場強度1.5Tesla,Generel Electric)の上に実装し,正常に動作することを確認した.安全性については,SAR(specific absorption ratio)の計算を行ない,通常の使用法においては,人体への熱エネルギ-の蓄積はほとんどなく,一般的な規制の範囲内におさまることを確認した. 2.臨床的有用性の検討 上記の結果を踏まえ,新たに開発した撮像法を,数百例以上の頭部および腹部の症例に応用し,従来のスピンエコ-法と比較して,すべての面において同等以上の画像を,1/16〜1/4の撮像時間で得ることができた.撮像時間が短縮したことにより,高SN比,高T2強調度,高解像度の画像を溶易に得ることが可能となった.また腹部領域においては,呼吸停止下にT2強調画像を得ることも容易となり,臨床的有用性がきわめて高いことが証明された. 3.脂肪信号の解析と脂肪信号抑制法の開発 本法に特徴的な脂肪の高信号について検討し,その機序について考察した.また,これに基づいて,従来法と全く異なる新たな脂肪信号抑制法を開発し,その臨床的にも有用性が高いことを確認した.
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