研究課題/領域番号 |
03670554
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 寛 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (30125645)
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研究分担者 |
小野 修一 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (00240664)
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 主任研究官 (90216490)
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キーワード | 神経受容体 / ポジトロンCT(PET) / ベンゾジアゼピン受容体 / アセチルコリン受容体 / ヒト脳 / 老化促進マウス |
研究概要 |
本年度は、痴呆の早期画像診断法の開発をめざして、ベンゾジアピン受容体測定の基礎的実験を行った。中枢性ベンゾジアゼピン受容体に特異的に結合する^<125>I-イオマゼニルを用いて、老化促進マウス(SAM)の加齢に伴う受容体結合能の変化をインビトロで測定した。SAMのうち老化とともに学習能力障害を示すP/8系では、大脳皮質の受容体結合能は老化に伴う低下が見られなかった。一方、対照のR/1系では、若年群に比べて老年群で結合能の低下が見られた。この結果が何を意味するか、インビボの結合実験追加を含めて検討中である。同様に痴呆の早期診断を目的として、アセチルコリン受容体測定法の開発を行った。ポジトロン標識アセチルコリン受容体リガンドとして^<11>C-ベンゾトロピンを開発し、迅速合成法を確立した。健常人ボランティアPETによる脳イメージングでは、受容体が密に存在する線条件、視床などの大脳基底核および大脳皮質では、放射線は高くしかも時間とともに増加した。一方、受容体の少ない小脳では放射線は低く、また、検査時間中の増加も見られなかった。PET検査と同時に採血した血液中の放射法測定および代謝物の分析から、注射された^<11>C-ベンゾトロピンは比較的安定な形で血中に存在し、30分後でも代謝物の割合は極めて少ないことがわかった。これらのPET画像データおよび血液中の未変化標識リガンドの放射能のデータを用いて、PETによる受容体結合能の定量を行うための方法論について検討中である。また定量法が確立した後に、正常加齢に伴う変化、および痴呆患者における変化を測定することが、今後の目標である。
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