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1992 年度 実績報告書

精神分裂病の再燃機序に関する実験的研究‐メタンフェミン精神病モデルを用いた生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670564
研究機関岡山大学

研究代表者

秋山 一文  岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (40150990)

研究分担者 氏家 寛  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (90213420)
藤原 豊  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50173498)
キーワード精神分裂病 / 再発 / 逆耐性現象 / メタンフェタミン / ドパミン / ウァバイン / 生後発達 / 線条体
研究概要

Methamphetamine(MAP)反復投与による逆耐性現象でみられる過剰なDA放出のメカニズムについて、脳内透析法を用いて研究した。1)MAPの14日間反復投与から7日間後、Na^+,K^+‐ATPaseの阻害薬であるウアバインを線条体に潅流したところ、生食対照群に比較して、線条体内潅流液中のDAの増加はより一層大きかった。このDAは新合成DAであった。MAP反復投与によって線条体での特異的[^3H]ウアバイン結合及びNa^+,K^+‐ATPase活性に変化はなかった。さらにMAP反復投与群ではMAP再投与によってNa^+,K^+‐ATPase活性の上昇を認めた。以上より、MAP反復投与後では細胞膜内外のNa^+匂配が減少し、そのために線条体からのDA放出が増大しやすい状態になっている可能性が示唆された。2)MAP反復投与による逆耐性現象の形成に及ぼす生後発達の影響を、最終投与から3週間後に行ったMAPチャレンジによる行動観察に加え、線条体潅流液中のDA濃度を指標として検討した。生後7および14日目からMAPを投与した群においては、生食群とMAP群の間で行動及びDA増加に有意差を認めなかった。しかし、生後21日目、28日目および成熟獣として56日目からMAPを投与した群においてはMAP群の行動の増加は生食群のそれよりも有意に大きく、線条体潅流液中のDA濃度の増加も生食群のそれよりも有意に大きかった。以上より、行動のみでなく、逆耐性現象を形成する脳内の可塑性変化も生後3週目以降のMAP暴露により、形成されことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Akihiro Kanzaki et al: "Subchronic.methamphetamine treatment enhances ouabain-induced strictal dupamihe efflux in vivo" Brain Research. 569. 181-188 (1992)

  • [文献書誌] Hiroshi Ujike et al: "Competitive and mon-competitiue N-methyl-D-aspartate antagomists fail to prevent the induction of methamphetamineinduced Sensitization" Life Sciemces. 50. 1673-1681 (1992)

  • [文献書誌] 秋山 一文 他: "逆耐性と再発機構" 脳と精神の医学. 3. 149-161 (1992)

  • [文献書誌] 秋山 一文: "薬理・生化学的指標-カテコールアミンを中心に." 季刊・精神科診断学. 3. 31-36 (1992)

  • [文献書誌] 秋山 一文 他: "精神分裂病の発症機序に関する神経科学的研究IV" 精神分裂病研究の進歩. 3. 76-83 (1992)

  • [文献書誌] Kazufuni Akiyama et al: "Methamphetamine-induced behavioral Sensitization and its implication in relapse of Schizophremia" Schizophrenia Research. (IN PRESS) (1992)

  • [文献書誌] Kazufumi Akiyama et al: "Methamphetamine psychosis as a model of relapse of schizaphaemia: A beharioral and biochemical study in the animal model,Im: Taniguchi Symposia on Brain Sciences NO14 Biological'Basis of Schizophremic Disorders." 学会出版センター/S.Karger, P169-P184 (1991)

  • [文献書誌] 秋山 一文 他: "第4章覚醒剤精神病から分裂病を攻める意味 (町山幸輝,樋口輝彦編)精神分裂病はどこまでわかったか" 星和書店, P79-P97 (1992)

  • [文献書誌] 秋山 一文 他: "覚醒剤の急性薬理作用の逆耐性現象 (佐藤光源,福井進編)目で見る精神医学シリーズ" 世界保健通信社, (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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