研究課題/領域番号 |
03670577
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 富 東北大学, 医学部, 助教授 (40125638)
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研究分担者 |
戸恒 和人 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10217515)
村上 治 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00157744)
大井 龍司 東北大学, 医学部, 教授 (50004734)
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キーワード | 神経芽細胞腫 / ニューロペプチドY / 腫瘍マーカー / マススクリーニング |
研究概要 |
これまでに54例の神経芽腫(以下、本症)症例と、他の小児悪性固形腫瘍18例を含む49例の対照群、併せて103例において血漿NPY濃度(以下、NPY)を測定し以下の結果及び成果を得た。1)NPYは新生児期に約500pq/mlの値を示し、その値は年齢と共に徐々に低下し、10〜15才で正常成人値(150pq/ml)に達する。2)本症症例の約85%において陽性を示し、褐色細胞腫、本態性高血圧症などに比較しても有意に高値を示す。3)これまでに本症以外で陽性値を示したのは49例中、両側ウイルムス腫瘍の1例(1973pq/ml)と新生児尾仙骨部奇形腫の1例(648pq/ml)のみであり、本症の診断に関するNPYの特異性は96%である。臍帯血では500pq/ml以上の値を示す事が確認されており、新生児奇形腫症例がcut off値以上を示した事は有り得る事と思われるが、両側ウイルムス腫瘍の高値は興味深い。又、他の腫瘍マーカーに比較してNPYは鋭敏性、特異性ともに優れている。4)本症での陰性8例は予後良好であり全例が腫瘍なしで生存している。5)病期進行例は高いNPYを示し本症の予後判定に有用である。6)有効な治療による腫瘍の縮小と共にNPYは低下し、再発により再上昇する事から、NPYは腫瘍の活性を示し治療の有効性の判定と経過観察に有効である。7)他の腫瘍マーカーと比較すると、NPYはNSE、LDH、フェリチンと相関がみられるが、カテコールアミン代謝産物であるVMA、HVA濃度とは相関せず、VMA、HVA非産生神経芽腫症例が予後不良である事と一致した。8)嶋田分類との比較では、UH群12例のNPYはFH群25例に比し有意に高値を示した。9)より鋭敏な測定法の確立により尿中NPY濃度の測定を開始した。これにより予後不良の神経芽腫症例の早期発見を目的としたマススクリーニングへの応用が可能になるものと考えている。
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