研究概要 |
われわれは、先に^<99m>Tc標識活性炭(^<99m>Tc-CH44)を開発し、新たに^<111>In標識活性炭を平成3年度までに開発しえた。平成4年度はダブルアイソトープ法によるリンパ流の解析方法を確立することが最大目標であった。以下にその実績を示す。 A)^<111>In標識活性炭の開発 活性炭への標識にはNaI complex法にて行いった。in vitroでの標識直後の標識率99%(pH11,37℃),6時間後の脱離が23%と極めて安定であった。 B)double isotope法による家兎におけるリンパ流の解析 a)リンパ節シンチグラフィー ^<111>In-CH44,^<99m>Tc-CH44家兎足底部別個注入後、膝窩リンパ節の同時、核種別、シンチグラムを描出することができた。 b)家兎におけるdouble isotope法によるリンパ流の解析 左右足底にそれぞれ別個のisotope-CH44を注入し一定時間後に屠殺し、膝窩、骨盤部、大動脈周囲、小腸間膜根部のリンパ節を摘出し、マルチチャンネルアナライザーにて測定した。その結果、核種別に測定可能であり、左右からの流入比は最遠リンパ節群である小腸間膜根部でほぼ均等な値を得ることができた。 リンパ節群放射能分布(%)は全リンパ節の放射能(核種別の)を100%として表した。左右からのリンパ流入比は各リンパ節群における^<111>In-CH44と、^<99m>Tc-CH44の放射能分布(%)の比で表した。 C)臨床例での検討 a)乳腺所属リンパ節シンチグラフィー 初発乳癌症例の乳腺内側、外側にそれぞれ別個にisotope-CH44を注入し、それぞれの核種にて所属リンパ節を同時に描出することができた。 b)乳腺リンパ流の解析 根治術施行後摘出したリンパ節の^<111>In,^<99m>Tcによる放射能を核種別に測定し所属リンパ節群の放射能分布を求め、乳腺内側、外側からのリンパ流の大きさを測定しえた。
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