研究概要 |
トポイソメレ-スI(トポI),トポイソメレ-スII(トポII)をタ-ゲットとした新しいBiochemical Modulation療法に対する基礎的研究として本年度は(1)ヌ-ドマウスを用いたヒト可移植性腫瘍に進するトポI,およびトポII双方をタ-ゲットにした治療法の確立,(2)相乗効果の解析,(3)ヒト腫瘍におけるトポIおよびトポIIのレベルと各抗癌剤の効果との相関について検討し、以下の結果を得た。 (1)トポIインヒビタ-としてCTPーII,トポIIインヒビタ-としてAdriamycin(ADR)を用いヒトヌ-ドマウス可移植性腫瘍6株について同時投与,併用投与について検討したところCTPーIIを先に用い24時間後にADRを用いた群では検討した全ての株においてADRの抗腫瘍効果の何らかの増強を認める株においてはその増強効果は判定された。 (2)相乗効果の認められた3株についてポイソメレ-スをタ-ゲットにしない他の抗癌剤Mitomycin C,Cisplatinumを用いてCPTーIIとの併用効果を検討したところ全株とも相乗効界だ認められなかった。 (3)相乗効果の認められた株についてcell cycle及びトポIIの発現について検討したところ2株ではCTPーII処理後24〜48時間後にSーphase froutionの上昇とこれに伴なってトポIIの発現の上昇を認めた。 (4)乳癌組織においてトポIIの発現量,MDRーIの発現量とADRの臨床効果を検討したところトポIIとADRの臨床効果との間に正の相関を認めた。 (5)食道,胃,大腸癌において癌組織を正常組織にトポI,発現量についてみると食道を大綢において癌組織のトポI発現量か正常粘膜に比べると高かった。
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