研究課題/領域番号 |
03670593
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
野口 芳一 横浜市立大学, 医学部第1外科, 講師 (50180724)
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研究分担者 |
松本 昭彦 横浜市立大学, 医学部第1外科, 教授 (20045975)
伊藤 隆明 横浜市立大学, 医学部第1病理, 講師 (70168392)
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キーワード | MCA sarcoma / lipoprotein lipase / cancer cachexia / morphometry |
研究概要 |
1.担癌ラットにおける肝の小器官レベルでの変化 Methylcholanthrene-induced sarcoma担癌ラットをpair-feedingした対照ラットと比較し、肝細胞における微細器官の形態学的変化を電子顕微鏡で検討、morphometryを応用し数量的に比較し以下の結論を得た。 a)mitochondriaは担癌群で膨化する傾向にあった。 b)glycogen granuleは対照群では残存したが担癌群では完全に消失していた。 c)最も著明な変化はrough endoplasmic reticulumに認められ、担癌群では、これが有意に減少していた。peroxisomeにも同様の変化が認められた。 これらの知験は日本外科代謝学会、国際消化器外科学会(Greece)にて発表、日本外科学会雑誌速報に採用予定となった(1993)。 2.担癌患者の肝細胞における形態学的変化 実験動物で認められる程の変化は治癒切除が可能であった患者の肝細胞では認められなかったが、現在更に詳細に検討中である。術前のhyperalimentationが担癌時の代謝異常に如何なる影響を及ぼすかに関し臨床例25例で検討、最も著明な変化がtissue lipoprotein lipase activityの活性化に認められることを突き止め日本癌学会、アメリカ癌学会(San Diego)で発表した(日本外科学会雑誌速報1992)。 3.脂質代謝異常に及ぼすinsulin resistanceの影響 上記の実験モデルで末梢脂肪内tissue lipoprotein lipaseのインスィンに対する反応性をin vitroで検討したところ、LPLに対しても、insulin resistanceが存在する可能性が見いだされ、本年のアメリカ癌学会の投稿中である。
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