研究概要 |
1、ヌ-ドマウスへの移植 神経内分泌腫瘍として甲状腺髄様癌を用いた。それはカルシトニンは甲状腺髄様で多量に産生されるため,他の神経内分泌腫瘍よりも特異性がきわだって高いためである。昨年度3例の髄様癌症例の手術を行い,それらの腫瘍組織を移植したが,最後の症側が継代されているのみで,前者は壊死に陥いった。3例目も3代目の継代であり,その血液を用いて,カルシトニン,PDNー21(カタカルシン),CGRP値を測定したところ,それぞれ68pg/ml,11pg/ml,37ng/mlと低く十分にカルシトニン関連蛋白を産生,放出しているのかどうかが疑しいと考えられた。カルシトニン関連蛋白のうち,PDNー21とCGRPの測定はRIA法で行い,基礎的検討も終了し,ヒト髄様癌症例の血清においても高値を示すことが判命した。 2、 ^<125>I標識抗体の作成 ラクトペルオキシダ-ゼ法によった。エンザイモビ-ズの入ったビ-ズにPBSを加え反応後,抗体, ^<125>Iを加え,平衡化させ,ゲル濾加クロマトグラムにより遊離 ^<125>Iを除去した。抗体として,カルシトニン,PDNー21を用いた。 3今後の方針 ^<125>I標識抗体はカルシトニ,PDNー21で行いえたが,測定対象となるヌ-ドマウス移植が確実には成功していない。現在,培養株よりの生着を試みるとともに,pDNー21のRIA測定系をさらに精度向上をめざし,腫瘍生着時にはたゞちに,血清・腫瘍中のカルシトニン,PDNー21値が測定できるように考えている。
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