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1992 年度 実績報告書

肝不全における血中中分子量物質の浄化の意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 03670602
研究機関東北大学

研究代表者

松原 修二  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20165856)

研究分担者 大内 清昭  東北大学, 医学部, 助教授 (20124555)
キーワード急性肝不全 / 中分子量物質 / 血液持続濾過
研究概要

18例の急性肝不全症例に対して、血漿交換に加えて血液持続濾過(CHF)を施行した。治療前後に血清・濾過液を探取し、これを中分子量物質の測定のため、TSKG2000SWを用いた高速液体クロマトグラフイーに用いた。肝不全血清では停滞時間45分以後、推定分子量4500以下で8以上の異常なピークが観察された。これらのピークを積算して算出した血液濾過器の節い係数SCをみると、推定分子量2200で0.54であり、以下1150で0.56,730で0.83,490で0.67そして150では0.25と中分子量物質の良効な濾過能が確認された。これら高速液体クロマトグラフィー上の中分子量ピークの血中推移は、よく意識レベルと相関し、クロマトグラフ上全く正常化した症例では意識レベルもほとんど回復し、家人と会話可能の状態となった。しかし、この効果は一過性であり、血液濾過を中止すると再び、異常中分子量物質の血中内増加がクロマトグラフ上観察され、意識レベルも低下した。全体として意識レベルの改善によるCHFよりの離脱例は9例(50%)であり、救命例は4例(22%)、残りの5例は多臓器不全により死亡した。以上よりCHFと血漿交換を併用し中分子量物質の浄化を図ることにより、急性肝不全症例に対してかなりの長期にわたり肝機能補助が可能であることが判明し、中分子量物質の血中蓄積が急性肝不全の主要な死因である脳浮腫の誘因の一つとなっていることが示唆された。今後さらにこれら異常中分子量物質の本能の解明が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松原 修二: "肝不全における病因物質の解明と選択的除去法の開発" BIOmedica. 7. 65-69 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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