研究概要 |
大腸癌の質的画像診断をめざして,抗CEAモノクロ-ナル抗体CEA102を作製し,その大腸癌に対する特異性を確認したあと,現在まで20例の臨床応用を行った。その結果Sensitivctyは16/20(80%)と高率であったが,画像のquality,診断時間の延長等が問題点として残された。そこでまず,F(ab')_2分画を投与したところ,whole IgGでは画像を得るのに4〜5日を要したのに対し,1〜2日と短縮しえた。またこの間,抗体の力価を下げずに,Endotoxinの除去を行うよう努力し,除去した抗体による投与では,発熱などの副作用は消失した。つぎに至通投与量の検討をマウスにて行った。CEA陽性細胞の移植マウスに,10μg,50μg,100μg等の投与を行い,FCRにて画像を観察した結果,10μgでほゞ満足しうる画像を得るこてができた。これはヒトの臨床例で,抗体量として2〜3mgに相当すると考えられ,我々の従来の方法でよいと考えられた。しかしながら,標識時の試薬のpH等で標識率が低下し,それが画像として得られない原因となっていることが判明した。さらに直腸癌の局所再発の診断に,Emission CTを使用することを考え, ^<III>In的使用を行っているか,最近のテクニックの向上により,90%以上の標識率を得ることができるようになった。現在,臨床応用に鋭意とりくんでいる。また次年度は,肝転移の診断をめざし,Tcー99mの標識にも取り組む予定である。
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