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1991 年度 実績報告書

ヒト大腸癌細胞におけるKiー67発現の意義に関する免疫組識学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670615
研究機関三重大学

研究代表者

鈴木 宏志  三重大学, 医学部, 教授 (20004632)

研究分担者 塚本 能英  三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (30179981)
寺西 正  三重大学, 医学部, 助手 (60172102)
キーワード大腸癌 / Kiー67標識率 / 免疫組識化学染色
研究概要

増殖期にある細胞でG1後期、S2期、M期に存在する抗原に特異的に反応するマウスモノクロ-ナル抗体(Kiー67)の大腸癌に対する予後規定因子としての意義を検討する目的で以下の研究を行なった。手術的あるいは内視鏡的に切除された大腸癌56症例、58検体と、腫瘍から10cm以上離れた正常粘膜10検体を対象とした。Kiー67は一次抗体(Kiー67マウスモノクロ-ナル抗体)に対する免疫組識学的染色により検出した。またnegative controlとしては一次抗体に代えてマウス血清を用いたものを使用した。光学顕微鏡により検鏡し、核が茶色に染色されたものを陽性細胞とし、粘膜細胞あるいは癌細胞2000個以上中に占める陽性細胞を算出しその百分率をKiー67scoreとした。その結果以下の知見を得た。正常大腸粘膜腺管底部のKiーscoreは28.9±6.6%であったのに対して、大腸癌のそれは38.5±10.3%と有意に高かった。大腸癌におけるKiー67scoreは、粘膜内癌に比して粘膜下層を越えて浸潤しているもので有意に高く、また、リンパ管侵襲陽性のものではこれが陰性ものに比して有意に高かった。しかし血清CEA値を含めて、これ以外の臨床病理学的因子とKiー67scoreとの間には有意な関連を認めなかった。これらの結果から、粘膜内癌では増殖能の亢進を認めないが、粘膜筋板を破って浸潤する腫瘍では高い増殖活性がみられ、リンパ管の基底膜をも容易に破ってリンパ管内に浸潤するのか、あるいは、癌が粘膜筋板を越えると急激に高い増殖能を獲得してリンパ管の基底膜をも破壊するのかなど、腫瘍組識におけるラミニンあるいはIV型コラゲナ-ゼの発現との関連において興味がもたれる。今後Kiー67scoreと大腸癌の再発、患者の生存率との関連を検討することにより、Kiー67scoreの予後規定因子としての意義がさらに明かになることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 寺辺 政宏: "大腸癌におけるKiー67標識率(Kiー67score)と臨床病理学的進行度の関連についての研究" 日本大腸肛門病学会雑誌. 45. (1992)

  • [文献書誌] Hiroshi Suzuki: "Kiー67 antibody labeling index in colorectal carcinoma." Journal of Clinical Gastroenterology. 14. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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