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1991 年度 実績報告書

消化器癌の腹膜転移の予防ーとくに基底膜破壊の防御を中心にー

研究課題

研究課題/領域番号 03670617
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

山本 明  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20144298)

キーワード腹膜転移 / 基底膜 / ラミニン / ラミニンレセプタ-
研究概要

1、laminin receptorと結合したlaminin抗体で検出する方法によるlamininーlaminin receptor complexの免疫組織学的観察から、laminin receporは(1)すべての癌細胞で一様に観察されたわけではない。(2)免疫電顕的には細胞表面全体にみられたわけではない。これらの結果から1)Ehrlich腹水癌はlaminin receptorが少ない。2)特殊な細胞状態でのみreceptorは発現する。3)whole lamininであるためreceptorと結合できるリガンドが少ない。4)polyclonal抗lamini抗体であるため競合する。などが示唆された。2、lanininの単純投与は走査電顕的観察ではコントロ-ルに比し、より早期から(5日目)癌細胞の腹膜への着床を示し、また生存日数は有意に減少し、laminin投与は転移単形成を促進することが示された。3、担癌体へのlaminin投与によるlaminin receptorの封じ込めとmitomycin cの併用投与により有効な殺細胞効果がえられるのか検討から、(1)lamininの早期(3日目より1日目)、頻回(1回より3回)、多量(10μmより100μg)投与で生存日数の延長がみられ、(2)laminin10μg+mitomycin c10μgの隔日3回投与でもmitomycin Cの単独投与に比し生存日数に有意差を認めた。(3)走査電顕的にも併用投与群で着床細胞数はmitomycin C単独投与に比し明らかに少なかった。(4)また癌細胞移植後7日目に可及的に腹水を排除し浮遊癌細胞を減じたマウスでの検討では、コントロ-ル、laminin単独投与、laminin+mitomycin C併用投与、mitomycin C単独投与各群で生存日数に差はみられなかった。これらから癌細胞receptorと結合し、receptorを飽和するlaminin量に至適量が存在することが明かとなった。またlamininは着床癌細胞に結合できないことが推測でき、さらに単独投与したlamininは癌細胞増殖の場への着床を促し、結果として増殖を促進し、生存日数に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山本 明: "腹膜転移単形成における基底膜の病態" 日本婦人科心理・コルポスコピ-学会雑誌. 9. 132-137 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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