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1992 年度 実績報告書

コレステロール酸化物の生体内動態、組織障害および発癌に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03670632
研究機関九州大学

研究代表者

黒木 祥司  九州大学, 医学部, 助手 (30215090)

研究分担者 岡本 修一郎  九州大学, 医学部, 医員
一宮 仁  九州大学, 医学部, 助手 (10183170)
千々岩 一男  九州大学, 医学部, 講師 (90179945)
キーワードコレステロール / 発癌 / 7α-水酸化コレステロール / 胆汁酸生合成 / 酸化コレステロール
研究概要

炭素14標識コレステロールから7α-ヒドロキシコレステロール-3β-ステアレートを合成し、胆管瘻設置ハムスター5匹に0.25μCiづつ1時間経静脈的に投与した。胆汁を20分毎に6時間採取した後屠殺し血液、尿、肝を採取、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。胆汁中代謝物は薄層クロマトグラフィーにて分析した。
投与した放射活性の平均56%は胆汁中に回収され、20%は肝内に残存していた。血液、尿中には放射活性はほとんど認められず、総回収率は約76%であった。胆汁中代謝物は、タウリン及びグリシン抱合型のトリヒドロキシ及びジヒドロキシ胆汁酸であり、硫酸抱合型やグルクロン酸抱合型の胆汁酸、及びモノヒドロキシ胆汁酸や胆汁アルコールは証明されなかった。胆汁中代謝物はコリルグリシンヒドロラーゼにより定量的に加水分解され、遊離型胆汁酸を与えた。これら遊離型胆汁酸を3αヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼで処理したところ3-ケト胆汁酸に変換され、胆汁中代謝物はタウリン及びグリシン抱合型のコール酸とケノデオキシコール酸であることが証明された。減衰曲線より推定された生物学的半減期は約5.7時間であり、投与6時間後の血中にはほとんど存在しないことから血中半減期は更に短いと考えられた。本実験における投与量は正常血中レベルの約1000倍であり、生理的濃度ではより効率良く肝で代謝されるものと考えられた。
以上より血中のエステル型7αヒドロキシコレステロールは肝に効率良く取り込まれ加水分解された後、通常の胆汁酸合成経路を経てタウリン及びグリシン抱合型の一次胆汁酸に代謝されることが証明された。本物質の肝への取り込みおよび代謝は極めて効率的であり、他組織への沈着やそれに伴う組織障害および発癌性発現の可能性は低いものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masanori Kishinaka: "Metabolism of intravenously administered 7α-hydroxycholesterol-3β-stearate in the hamster" Biochimica et Biophysica Acta. 1165. 222-228 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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