1.Radioimmunodetectionによる膵癌診断 ^<111>In-Nd2の静脈内投与よる膵癌症例におけるRadioimmunodetection(RAID)の臨床的有用性について、症例を追加して検討を行った。現在までに膵癌を疑われた11例で本法を施行した結果、組織診断によって膵癌と確定診断された8例のうち6例に陽性のScintigraphy像がえられた(75%)。疑陽性例は現在までの検討では認められておらず、そのspecificityは100%であった。本邦による副作用はまったく認められず、その安全性も確認された。^<111>In-Nd2による膵癌のRAIDは臨床的に有用であることがさらに確かめられた。 2.モノクローナル抗体の効果的投与法の基礎的検討 Nd2の人体投与における効果的投与法の検討を、Nd2のF(ab)2分画やInterferon-γの検査前投与を行って、担膵癌ヌードマウスを用いて^<125>I-Nd2の腫瘍集積性を比較検討した。その結果、これらの抗体の修飾やcytokineの投与の併用によって腫瘍へのモノクローナル抗体の集積性の向上が認められ、今後の臨床応用の可能性が示唆された。 3.膵癌ミサイル治療の基礎的検討 現在までにNd2をcarrierとした抗癌剤、殺細胞性を有するradioisotopeとの結合物の作成に成功した。担膵癌ヌードマウスに対するミサイル治療の可能性について、Adriamycin結合Nd2の全身投与ならびに腫瘍の局所投与による抗腫瘍効果を検討した結果、明かな抗腫瘍作用が認められた。今後さらにisotope等によるミサイル治療の効果についても検討を行う予定である。
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