平成3年度は次の点について研究した。 1)中心静脈栄養方法が消化管粘膜の萎縮をもたらす。 2)PSKの投与によってパイエル板の減少防止、免疫系細胞の生体内分布の正常化がもたらされる。この2点に関しての結果が得られた。 平成4年度は中心静脈栄養方法(TPN群)が免疫系特に与える影響について検討 1)胆汁中のS-IgA 2)門脈血中のS-IgA 3)腸間膜リンパ節へのBACTERIAL TRANSLOCATIONの研究を行った。 (研究結果) ・腸間膜リンパ節の細菌学的検討ではTPN群では明らかに対象群に比して高率に細菌数が検出されBACTERIAL TRANSLOCATIONが認められた。 ・門脈血中のエンドトキシン量には差はなかった。 ・S-IgAは胆汁中および門脈血中でTPN群で低い値を示した。 ・消化管粘膜における免疫系細胞の局在検討でTPN群での免疫能低下を示唆する結果がが得られた。 (結論と展望) TPN長期投与によって消化管局所の免疫能は低下を示した。これらの低下にたいする対策としてPSKなどのBRMの投与が有効である。
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