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1991 年度 実績報告書

逆流性食道炎の病態解明と胃食道逆流防止の再建手術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 03670646
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

羽生 信義  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30189592)

研究分担者 中田 浩二  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10227811)
阿部 貞信  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60231114)
古川 良幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80209171)
大平 洋一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10213852)
キーワード食道運動機能 / 下部食道括約筋(LES) / 逆流性食道炎 / SavaryーMillerの分類 / Nissen噴門形成術
研究概要

健常者(n=19)の嚥下による食道内圧を測定し、食道の収縮波高。および伝播速度を測定すると、収縮波高は下部食道括約筋(LES)から上方12cmの食導では、60mmHgで下方に行く程、収縮波高は増加し、LES直上では75mmHgで、その伝幡速度は5〜7cm/秒である。これが逆流性食道炎患者(n=6,SavaryーMillerの内視鏡分類でstageIーIII)では、収縮波高が30〜50mmHgに低下し、伝播速度も3〜5cm/秒に低下していることが判明した。このことは、逆流性食道炎の症例数はまだ少ないが、逆流性食道炎患者では食道運動機能が低下していることが強く示唆される。また健常人の下部食道括約筋圧(LESP)は19.6±1.4mmHgであったが、逆流性食道炎患者(n=8)のそれは9.0±4.8mmHgと有意に低値であった。われわれは、逆流性食道炎患者に対して、積極的に外科的治療を施行しているが、術後にはLESPは平均18.9±7.9mmHgに上昇し、ほぼ健常者と同値を示した。実際に術後は逆流性食道炎は改善し、手術の有効性が示されたが、特に食道狭窄を呈したSavaryーMillerの分類でstage IVの症例では食道内腔を開大させても術後には軽度の嚥下困難が残存した。この理由は、食道筋層が線維化してしまうと食道内腔を開させても食道運動機能の低下が著しく、もはや不可逆性の状態になっているものと考えられた。したがって、食道狭窄に至る以前に外科的治療を行うのが望ましいが、どこまでの食道運動障害が可逆性であるのか今後の検討が必要である。また、われわれの手術はNissen噴門形成術を行っているが、逆流を防止するには360度の噴門形成術がよいが、gas bloat syndromeの問題もあり、逆流防止効果が良好でかつ術後障害のない術式の確立をめざして、最近では2/3周のNissen噴門形成術を試みている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 青木 照明,羽生 信義: "下部食道括約筋機能異常の病態とその新しい展開" 外科治療. 33. 797-803 (1991)

  • [文献書誌] 青木 照明,羽生 信義: "逆流性食道炎の保存的治療の限界と手術適応" 消化器内視鏡. 3. 49-55 (1991)

  • [文献書誌] 羽生 信義: "下部食道括約筋をめぐる基礎と臨床" 東洋書店, 112 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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