心移植後の冠動脈硬化症発生の病態を明らかにする目的で各種免疫抑制剤の影響と、実験的左室non-workingモデルとworkingモデル冠動脈硬化症発生に及ぼす影響の差、そしてプロスタグランディンI2(PGI予防効果について検討を行った。 1)心移植後の冠動脈硬化発生に及ぼす免疫抑制剤の影響 ラットの異所性心移植もでる(F-344ラットをドナー、Lewisラットをレシピエントとした)を用い、免疫抑制剤としてサイクロスポリン(C_S、FK-506(FK)、15-Deoxyspergualin(DOS)を用いて移植後の冠動脈硬化の程度について検討した。 結果:冠動脈硬化はDOS群がC_S群より有意に低値であった。血清脂質の検討ではC_S群の中性脂肪はFK群とDOS群より有意に高く、C_S群及びFK群のLDLはDOS群より有意に高値であった。 2)左室non-workingまたworkingモデルの冠動脈硬化発生に及ぼす影響について workingモデルの左室壁厚はnon-workingモデルのそれより有意に厚かった。冠動脈硬化の程度はworkingモデルの程度がnon-workingモデルより有意に軽度であった。PG12の投与の有無で冠動脈硬化の程度に差はみられなかった。
|