研究概要 |
1) 前年に引続き当研究室培養設備においてウシ大動脈より採取した3種類の血管内皮細胞、さらに追加で肺動脈細胞の培養をroutineに行った。Confluentとなった培養血管内皮細胞の半分を機械的に剥離しwound modelを作成した。作成したwound modelの辺縁より遊走する血管内皮細胞をvideomicroscopeおよび顕微鏡写真にて観察しその個々の細胞の遊走距離、形態変化、および細胞全体の遊走面積を観察を平成3年に引続き行った。コントロール細胞の平均遊走距離は224±153um/24hours(means±S.D.)であった。 2) EDTAを加えたzero calcium液では24時間後に細胞の遊離が認められた。遊走距離は111+79um/24hoursと減少する傾向にあった。0mM,10mM ATPでは濃度による遊走距離の変化は認めなかった。 3) 受傷部位周囲の血管内皮細胞の接着分子(ICAM-1,VCAM-1)の発現については免疫染色にて検討中であるが現在の所染色技術が確立していない。 4) 血管内皮治癒促進を目的にウシ血管内皮細胞とヒト脂肪組織、ヒト横紋筋、ヒト大網組織、ヒト静脈組織とのco-cultureを行った。ヒト組織をコラーゲンゲル中に包埋しその上にウシ血管内皮細胞を重層した。内皮増殖を検討したところヒト横紋筋、ヒト大網組織で内皮増殖作用がみられた。さらにこのゲル全体を切断しwound modelを作成して内皮増殖を検討したところ同様の結果を見た。
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